内容説明
日本史教科書編纂の分野で名を馳せる島地章吾助教授は、学生時代の友人の妻などに浮気心を働かせていた。教科書出版社の思惑にうまく乗り、島地は自分の欲望のまま人生を謳歌していたのだが……社会派長編。
※本書は昭和四十一年一月十日初版の角川文庫を分冊、改版したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
30
主人公の俗物ぶりは色欲、金銭欲、名誉欲全てにおいてかなりのものです。でも世渡りはすごいと思いました。このあとどうなるのか楽しみです。2022/11/11
うーちゃん
19
教科書出版をめぐる汚い画策と人間模様を描いた長編。主役の好色な大学教授をはじめ、「わるいやつら」がずらり。下巻でカタルシスが得られるといいのですが・・。それにしても、ユーザー数15人ですか(´エ`;)没後20年だそうです、これを機に いかがでしょうか。2012/10/04
Nozomi Masuko
13
日本史教科書編纂の分野で名を馳せる教授である主人公は、学会では変わり身の早さと女癖の悪さで有名であった。欲望の赴くままに複数の女に近付き、巧妙な手口で弄ぶ。うーん!こういう人物を描かせたらこの人の右に出る者がいないなぁ。下巻はどんでん返しかな?最低クソ野郎な主人公の生活にこの先どういう変化が起こるのかとても楽しみ!2015/11/10
T. Mu
11
初めての松本清張さん。時代は古いが、人間は変わらない。いや、時代とともに変わりつつあるのかも。昭和時代には、今では考えられないこともいろいろ普通だった。それが時代というものなのかもしれない。 それにしても、島地はダメだ…💦あまりにも女に節操が無さすぎる。でも、読んでしまう(笑)4.52025/02/05
jima
11
日本史教科書編纂で有名な島地とそれを取り巻く女性たち。殺人がない!2023/07/21