内容説明
ついに教授になった島地には、妻の他に、二人女がいた。教科書出版社の売り込み競争に踊る、醜悪な人間像が次第に浮き彫りになっていく。昭和の巨匠が満を持して挑む、教育界の闇とその行く末とは。
※本書は昭和四十一年一月十日初版の角川文庫を分冊、改版したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
32
教科書販売の話は競争とはこんなものなのだろうなと興味深く読めました。しかしながらラストはもっと激しくしてほしかったです。2022/11/11
うーちゃん
18
変な言い方だけど、悪人って 簡単にはへこたれないのね。浴室のカビみたい(笑) この作品の主人公・島地は、本当にカビみたいな男。ライバルの妻を愛人にしたり、親友の妻にもねちっこくつきまとって無理やり自分のものにするし、業界ではかなりの地位にいるから、常に威張り散らして 接待や不法献金も受けまくり。フィクションですから誇張はもちろんあるでしょうが、かなりのタブーであろう 教科書出版における内紛を ここまで書くのには、相当な取材を重ねたことと思います。※殺人は起きません、ミステリ色は弱い作品です。2012/10/05
T. Mu
15
松本清張さん、初めての作品でした。推理小説ではなかった(笑)社会派の作品でした。ダム建設や教科書販売に関する話題と男女のもつれを平行して書いていますが、時代が昭和30年代で少し古かったなぁ(笑)でも、面白かったですね。 しかし、主人公の島地教授はダメ男すぎる…4.02025/02/09
jima
11
昭和30年代の教科書採択。教授になった島地の悪どさ。2023/07/23
しんすけ
9
ラストで主人公は捨てた女からの血の復讐を受ける。だが主人公の社会的立場はそれで揺らぎそうもない。偽善的な地位ある者には醜聞をも名誉になることさえある。清張はそこまで書いてはいないが、本書の終幕は十分にそれを予測させる。教育の現場を振り返ると未だに地位を利用した汚職は絶えることはない。それは、日本の教育制度そのものが貧しいからだ。下記に、清張の怒り(憤慨)のようなものを感じる。/教科書会社が学校側に贈るリベートの理由に貧困児童の教材無償配布費が含まれている。これがリベート正当化の最大の理由の一つである。2017/09/19
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