内容説明
収録された17話の主人公は、いずれも小学五年生の少年。転校先で友達作りにしくじった子、男女のカラダの違いを意識しはじめる子、父親を亡くした寂しさで心が折れそうな子、親の離婚で幼いながら母親を支えていく子…。それぞれが直面している現実を、その小さな体で精一杯受けとめ、自分で考えながら成長していく。多感な時期の少年特有の感じ方、かけがえのない一瞬を、重松清ならではの温かいまなざしで切りとった。健気さに胸が熱くなる、愛おしい短篇集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
116
小学五年生を主人公にして語られる十七編の物語。懐かしい子供の頃にタイムスリップできる。ここで描かれているのは昔の自分であり、友達であり、クラスメートだと思う。少しずつ季節が移り変わっていくところが絶妙な設定で、一番最初の物語では桜が出てきて、最後から二番目の物語ではバレンタインデーが描かれている。まるで自分が経験したかのように、子供の繊細な心の動きを描き出す重松さんの筆はうっとりした。どの物語も良いのだが、私が特に好きなのは「バスに乗って」。子供が一歩大人に足を踏み出す瞬間が鮮やかに描かれていた。2016/07/26
Tanaka
99
南小、フォーエバーとタオルを以前読んだことがあり、たまたま同じ本に収録されていると知ったので読んでみた。 久しぶりの重松さんの作品だったけど、安定の面白さ。2023/03/01
mmts(マミタス)
85
どちらかと言えば、既に大人になった人が読んだ方がしっくりするように思いました。ノスタルジック?な内容ですし、きっと現代っ子だと馴染みがないような部分もあるように思いました。私自身がギリギリ昭和生まれなので、やっぱり一概には断言は出来ませんけど、現代っ子からすればインターネットに関する話題が皆無なのは不自然じゃないでしょうか。素敵な小説ですが、あんな時代があったなーって懐かしむ内容だと思いました。もちろん、妙に大人びた子供、まだまだ幼いままの言動など、その辺の描写は重松さんには敵いません。2015/05/31
takaC
82
The more times I read it, the more nostalgic I am. って感じ。それを求めて。2014/11/21
ねむねむあくび♪
68
どうして重松さんは、小学生の気持ち、少年の気持ちを、こんなにリアルに書けるのだろう。小学5年の立ち位置って、実はとても揺れ動いている…。もう4年生までの自分じゃない。心も身体も毎日どんどん変わっていく。高学年の自覚と責任に戸惑う学年。6年生のような自信と誇りも、実はまだ無くて。でもカッコ悪いとこは見せられない。もう5年生なんだもんな。5年生の意地とプライドと、心細さが同居していて…。微笑ましくもあり、いじらしくもあり、とても良かったです♪(⌒‐⌒)2014/03/06
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