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内容説明
今日の地球環境危機は、産業革命以来の物質文明のあり方に対して、われわれに根本的な変革を迫っているといっても過言ではない。そのために本書ではまず、このような危機的状況をもたらした近代産業主義思想そのものを問いなおし、近代から現代に至るまで「環境問題」をめぐってどのような思想が展開されてきたのかを多角的に検討していく。これらの作業は“緑の社会”を実現していく上で重要な示唆を与えてくれるだろう。
目次
まえがき―地球環境危機と環境思想の役割
第1章 環境思想とは何か―基本的視点と展開
第2章 豊かな社会のディレンマ
第3章 環境思想の登場
第4章 変革思想としての環境思想―その五つの潮流
第5章 環境思想の現代的展開
第6章 現代環境思想は何をめざすべきか
おわりにかえて―「ヘッチヘッチ論争」再考
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ハチアカデミー
4
C 多岐に渡る「環境」を巡る言説を整理している点は参考になる。見取り図を与えてもらえたため、自分が「環境」というタームのどこに興味、関心を抱いているのかを知ることはできた。 が、個人的にではあるが、あくまでも主語が社会である点が非常に不満。進歩主義的観点を抜け出しておらず、より良い社会のため、つまりは人間だけのための思想を示すに留まっている。もっとラディカルな可能性を、環境という観点は持っているはず。先に読んだ池澤夏樹『氷山の南』の副読本にはなった。2012/05/24
Saiid al-Halawi
2
経済か自然か。保全か保存か。或いは誰にとっての「持続可能」か。正直、経済事情を念頭に置いて環境を論じようとしてる時点でその言説は聞くに値しない唾棄すべきものだと思う。2012/03/08
Yoshi
1
環境思想にまつわる様々な考え方をマッピングするのに良書だと思った。 ヘッチヘッチ論争にまつわる環境保存主義のピンショーと環境保全主義のミューアの話は興味深かった。 自然を人間の資源として見るか、自然の権利を主張しそのままにしておくのかで確かにその後の行動が変わってしまう。 緑の政治は基本的には人間中心だったところに、自然や環境の話が入ってくるという印象で、各々の考え方を詳細には分からなかったが、今後学ぶ上で参考になりそうな構図は理解できた。2020/12/10
2n2n
1
たとえば「環境主義思想」と「環境思想」という似たような言葉がまったく異なる意味として使われている等の要因が、本書を難解な書物にしている。しかし、これらの意味をうまく頭の中で整理できれば、これまでの/これからの環境思想の問題点等がスッキリ理解できる。本書によれば、結局この問題は、科学や技術による解決策の構築だけでは足りず、社会的、文化的、政治的あるいは倫理的な視点からのアプローチが不可欠って事らしい。2012/06/03
ftoku
1
ヒューマニズムを越えられるかどうか2009/12/19




