内容説明
生家の没落、倒産、そして一家の離散。唯一残された蔵の中で親子は暮らし、母は死んだ―。著者にとって思い出深い蔵の、たった一つの小さな窓を通して昔を振り返り、母の感触、父、兄姉への思慕、妻への愛しみ、周囲の人々の思い出などを、叙情豊かに綴った感動のエッセイ。
目次
夫婦とは
男と女
台所革命
母の思い出
加害者はだれか
姉の地平線
アメリカ製日本人
ぜんそく考
ある結婚
父の肖像
酔いどれ妻
ライバル
雪が舞う
三匹の猫たち
ふり向いた女の目
ある少女の出発
荷風忌
恩師
兄の生涯
家
足跡
三文役者〔ほか〕