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近年のDNA研究の成果によって、南太平洋の島々で暮らす人々の祖先が、台湾近海から海に出た可能性が高いと聞いたことがある人もいるだろう。とはいえ、台湾も島だ。ということは、台湾に近い大陸。つまり中国東南沿岸部のどこかの地域には、太平洋を渡った航海者たちの祖先が暮らした地域があったはず。と思っていた矢先、ある古代遺跡の研究成果が中国で発表された。 それは、福建省福州市東海岸沖にある平潭島の「西営遺跡」の話なのだが、平潭島も島だ。西営遺跡は今から約7300~6500年前の遺跡で、どうやら福州市?侯県にある「曇石山遺跡」との関係が深いそう。そして、これらの遺跡は台湾の大?坑文化(だいふんこうぶんか)(約6000~4500年前)より1300年ほど遡れる。不思議なことに出土した土器の形や貝塚などの生活スタイルが、これまでに訪れた日本の縄文遺跡の展示物と良く似ているようだ。 中国の福建省には、南太平洋に広がっていった航海者たちの先祖の地があるのかもしれない。そしてもしかしたら、この地域にいた人たちの中に、太古の日本列島に移住した人がいるのかもしれない。これが、今回の旅先を福建省にした理由。それでは、中国福建省に残されていた海洋民族の風習と南太平洋の島々の関係に、中國紀行CKRM的視点で迫っていこう。
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