内容説明
武田家の新生を計る勝頼にとって、木曾衆の叛逆はこのうえない痛恨事だった。そこへ追い討ちをかけるように、御親類衆筆頭の穴山信君の裏切り! 謀略と権謀術数の渦の中で、とまどい、歯ぎしりする勝頼。だが運命の波は過酷である。栄光の強国武田は遂に青史の舞台から消え去るのだ。感動の完結編。(全三冊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
317
滅亡まで、まさに急転直下の最終巻。著者としては、勝頼擁護のスタンスをとりたかったのだろうし、刊行当時はソレが受け入れられていたのかもしれない。しかし、様々要因はあれど、結局、勝頼は愚将とはいかないまでも、凡将だったようにしか見えない。軍議のたびに「本当は昌幸のいうとおりにしたかった」みたいな心の声が必ずといっていいほど挿入される。著者の真意はわからないが、弱さ/脆さを強調してしまっている。ただ、小説としては、バッチリ面白く、全三巻の長さも気にせず読めた。真田昌幸に対してやたら好意的なところだけ引っ掛かる。2018/09/09
榊原 香織
62
3巻本の3 完結。 最強の軍団と言われていたのに、最後ほとんど戦わず滅びる酷さ 理性的な文で悲惨な内容。読ませます。 北条と武田の水軍の戦い、沼津の千本松原のところに首塚があるやつですね、あそこらへんでキャンプすると落ち武者が出る、とか聞いたような 2023/05/27
金吾
30
○武田の崩壊は凄まじい勢いでした。親類集は最後までダメな集団のままで書かれています。勝頼もダメな武将のままでした。2024/05/23
金吾
27
○武田家は斜陽になってから滅亡まで怒濤の流れでした。人心がそこまで離れたのは、やはり真田昌幸等の献策を正しいと思いながらも悉く無視する武田勝頼が将に向いていなかったからなのだろうと思いました。2022/06/16
金吾
27
滅亡は知っていても崩壊のレベルは凄く正に亡国です。この小説の武田勝頼は能力は高いものの優柔不断でしかも人を見る目がないという設定でしたが、そのような大将は最悪だと思いました。2019/12/03