内容説明
江戸幕府の裁判所である評定所の書役・柊左門。表向きは庶民からの訴状の始末をしているただの役人だが、裏では不採用になった中に見つけた「非道の悪」を裁く「裏仕置人」だ。御数寄屋(おすきや)坊主の道春(どうしゅん)、裏渡世に詳しい音吉(おときち)、そして神道無念流の剣客・加納紳一郎(かのうしんいちろう)も加わり、江戸の世に憚る理不尽な悪を裏で裁く。人気時代小説作家・藤井邦夫の胸のすく新シリーズ第一弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
17
機能しなくなっている目安箱の投書を活用した裏仕置。裏仕事なのに本名で動いてることと、得た金を仲間以外にも分けていることがこの仕置はそう長くは続かないだろうと予感させる。2018/12/04
史
4
大義名分を作らせた悪党共が悪いのだ。裏の仕置人は、今日も今日とて狡さと正義を執行する。実に時代劇、しかし金にがめついのはどこか21世紀的である。2021/12/15
玲@灯れ松明の火
4
裏仕置人と言えば聞こえがいいけど…。やってる事は直訴状を盗み見ての脅し?恐喝??まぁ、弱い者を守って悪い奴からお金を取ってるので成り立ってるものの…。うぅ~んダークヒーローな感じでしょうか?時代物には珍しいチョイスだと思います。2013/04/17
ひかつば@呑ん読会堪能中
4
目安箱に入れられ却下された訴状の中から悪を見つけ出して裏で成敗するという話。評定所の書役という立場を利用して裏仲間とともに成敗した悪人から金を巻き上げるのだから、やっていることは相当なワル。役人である書役がなぜ危ない橋を渡るのかまったくわからないし、見聞組とかいう謎の組織がいきなり書役を襲ったのも解らないまま。まぁ裏の始末はテンポが良くてすっきりするので呑みながら読むのに丁度いい。2013/03/03
いくみん
2
まぁまぁの面白さ? どこにでもあるよシチュエーションだと思うけれど、展開が面白い。2016/11/09