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内容説明
▼第26話/海獣▼第27話/穿(うが)つ体▼第28話/濁浪▼第29話/宇宙の海▼第30話/身籠る▼第31話/坩堝(るつぼ)▼第32話/傍受▼第33話/準備▼第34話/Venus▼第35話/水魔
●主な登場人物/安海琉花(上手く気持ちを言葉に出来ない。両親は別居中で、母と暮らす)、海(ジュゴンに育てられた少年。水族館に預けられる。乾燥に弱い)、空(海とともに発見され、兄として育つ。入退院を繰り返している)
●あらすじ/行方不明となった琉花・海・アングラードを捜索する船が、3人の乗っていたヨットを発見するも、そこにはアングラードの書いたジム宛ての手紙が一通置いてあるだけだった。琉花の行方を探るためにも、事情を知るアングラードを追い始めるデデ。一方、水族館を含め世界各地の海洋では、さまざまな異変が生じ始めて…?(第26話)
●本巻の特徴/さし迫る“本番”、導かれるように大移動を始めた海洋生物、そして、姿を消した琉花と海…。“本番”の謎と、大いなる宇宙とのつながりが徐々に明かされはじめる、急展開の第4集!!
●その他の登場人物/ジム(海と空の保護者的存在)、アングラード(かつてジムの研究仲間だった。現在は異なる立場にいるらしい)、正明(琉花の父。水族館職員)、加奈子(琉花の母。海女の家系に育つが、現在は親類と絶縁している)、デデ(ジムの伝統航海術の師。“海のなんでも屋”)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
42
映画「2010」はボーマン船長の「it’s full stars!」って言葉で始まる。この言葉だけで感動の予感がした思い出。これこれ 満天の星空、壮大な海。大自然に出会うだけで感動がある。この本の海獣の子供の名前は「空」と「海」。この名前が実際に大自然に繋がる。「女性は彼岸を持っている。あちらの世界から生命をこちらに引き出す。海のことは本当は女性の方が詳しい」byデデ。もうその言葉で自然科学大好き人間にはグッと来る。映画見た時より原作の方が感動している。自分のペースで五十嵐さんの絵が見れるからかもしれない2019/08/05
JACK
25
◎ ある島で守られてきた太古の時代から続く秘密の祭り。島の外から来た男は、その祭りを見る事を許されるのだが、約束を破り、許可なく儀式を写真に撮り、録音していた。その後、彼は島を離れてからも何かの影に怯える事になる。やがて彼は、トイレで首を掻き切られて殺された。海の神の呪いなのか。海に存在する何かを求めて、ジュゴンに育てられた少年の空と海、海洋学者のジム、天才のアングラード、海のなんでも屋デデが海に出る。神秘的な海の描写、人智を超える存在の影。アングラードが言う「本番」とは何か。不思議な読後感の壮大な物語。2017/12/09
活字スキー
20
【あんたは海の世界がわたしたちの世界とは違う事を知ってるね。海は"彼岸"なんだよ。あんたは知ってるはずだ。女の体は彼岸からこっち岸へ生命をひっぱり出す通路なんだから】歌う鯨に呑み込まれた琉花と海を追うアングラード。ジムの元に現れたデデに助けられ琉花たちを探しに出る母・加奈子。世界中で多発している異変は何をもたらすのか。それぞれの過去が"その時"へと集束してゆく。 2021/09/02
ぽぽ
20
リハーサル、準備、本番。何が始まるのか。2019/07/16
tomo*tin
16
そうか、そういうことになってゆくのか、と興奮しながら読む。けれどこの興奮は血沸き肉踊るようなものではなくて、なんだかとても静かで切ないもので、物語の真相とは全く関係無いことだと思うけれど、自分が子宮を持つ生物であることを強く感じた。なんでだろう。あと、私がアングラードや海や空たちに異様に惹かれる理由がこの巻で分かった気がする。世界の向こう側を知る人に憧れた自分の幼い頃を思い出すからなんだな、きっと。2009/08/05