臨床瑣談 〈続〉

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臨床瑣談 〈続〉

  • 著者名:中井久夫
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • みすず書房(2009/07発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622074816
  • NDC分類:490.4

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内容説明

「かつては医学の治癒力はきわめて限られていた。したがって、経験を積んだ医師が、〈ぼつぼつ遠方の親戚の方を呼んで下さい〉というタイミングは驚くべきものがあったという。現在の医学はこのような予言が大幅に外れる程度には進歩している。しかし、診断と予後とを〈宣告〉するのは思い上がりであり、科学の名に背くとさえ思う。予後はもちろん、診断も仮説であり、仮説は宣告される種類のものではない」医学の可能性と限界をしるし、生活者と医療とのかかわりを懇切に描いた本書は、精神科医としての長年の経験から生まれた。しかし、そこにあるのは、指南的役割でも医の倫理の類いでもない。医師と生活者のあいだに立とうとする柔らかい姿勢である。「本書で取り上げた物語の中で、私は医師でもあるが、同時に家族や甥や義弟や友人や知人である。そして、医師といっても、主治医ではない場合が多い。患者と主治医との間にあって、何らかの役割を演じている。患者側に近い場合も多いが、単なる患者の親戚の医者というのとも少し違う。フィクサーというのか、橋渡し役というのか、一種の仲介者であることを期待される。しかし、このことは一つの分裂を生きることである。一般の人と医師団との間にある、一種のずれ、すれ違い、違和性、どこか相合わないもの――この違いはかなり深い」「認知症に手さぐりで接近する」「認知症の人からみた世界を覗いてみる」「血液型性格学を問われて性格というものを考える」「煙草との別れ、酒との別れ」「現代医学はひとつか」「中医学瞥見の記」「インフルエンザ雑感」の7章。

目次

1 認知症に手さぐりで接近する
2 認知症の人からみた世界を覗いてみる
3 血液型性格学を問われて性格というものを考える
4 煙草との別れ、酒との別れ
5 現代医学はひとつか
6 中医学瞥見の記
7 インフルエンザ雑感

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

qualia

4
俺は、この人が好き。この人のスタイルが好き。この人の文章を読むことで自分を再構築する。自分をゆだね、その自分が変えられるのを許す。それが心地いい。2009/09/03

katta

4
昨年読んだ本の中で、大収穫だった『臨床瑣談』の続編。精神科の大家でありながら、専門に陥ることなく、医学全般についての知識とアイデアを披露してくれている。一般人にとってどんな智恵が必要なのか分かった上でのきちんとしたサジェッションが嬉しい。身近にこういう知人がいたらいいなあ。2009/09/01

名前氏

1
アルコール依存症の人の回復過程にあった、病院内で権力を掌握せずヒラでいることの大切さについての箇所に「人を見下すことは自分の自尊心の低さを苦い思いで味わい直すことである。本人にはそう感じるだけのまともさはある。」という文があって、確かに威張り散らさないと自分を保てない状態って自尊心が低下しているよなあとすごく納得させられた。 認知症の人の自尊心を損なわないケアを心がけようというメッセージとか、別に医者じゃなくてもアルコール依存症とか認知症の人と関わることはあるのですごく役に立つ本だと思う。 2020/04/17

今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

1
終活在庫処分キャンペーン対象本2017/07/04

tekesuta

1
中医学の見立て方というのは近代医学の隙間を補っているみたいだな。ストレス説はよく膾炙しているけれども、中医学はもっと具体的にその見立てを確立してきたわけで、これをうまく利用できると不定愁訴みたいなものに結構効果がありそうに思える、とか素人考えなんですけど、そんなことを考えてしまうくらい、随所に光を見出せるような言葉が溢れてる。 2013/01/14

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