- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
日本の大学はどのような経過をたどって生まれたのだろうか。そのダイナミックな展開をつぶさに描く本書の下巻は、東京と京都の帝国大学との距離を縮めようとして、官立・私立ともに専門学校などの高等教育機関が充実してゆくありさまを見る。帝国大学はその数を増し、一方で、専門学校はそのなかに序列を生じていった。そしてついに、大正七年の大学令の成立により、現在につながる大学が誕生するのである。
目次
第6章 「東西両京の大学」
第7章 帝国大学への挑戦
第8章 興隆する専門学校
第9章 序列構造の形成
第10章 「大学令」の成立
エピローグ 大学の誕生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
isao_key
6
下巻は旧帝国大学の設立から大正7年12月に公布された「大学令」について、また各私立大学の対応について記されている。大著だが、日本の大学の歴史という専門的な分野について新書で一般読者に提供した意義は大きい。明治期には私学の雄である早稲田でさえ、中学卒であれば無試験で入学できた。明治・大正期の私学経営上の問題は、授業料の低さにあった。慶応・早稲田・私立医専を例外としてほとんどの私学が、授業料を官立校と同じか、それより低い水準に設定していた。官立校以上の授業料額を設定し、徴収することが事実上不可能だったという。2015/11/18
takao
2
ふむ2021/04/12
志村真幸
1
京都帝国大学があらわれたことで、東大が唯一の大学ではなくなる。さらに高校が増設され、受験競争が激化していく。札幌農学校、東京高商、大阪医学校なども創設され、そして慶応・早稲田という私立学校が伸張することで、大学という仕組みそのものが揺るがされ、変化していく過程が精査される。 徐々に序列構造ができあがり、最終的に1918年の大学令によって日本の大学が現在のような姿へ編成されたことがよく理解できた。 不安定で不定型なものとして日本の大学が始まり、たまたま現在のような形に落ち着いたという流れがポイント。 2024/05/22
TSUJINO Yusuke
1
☆☆☆☆ 名著。保存版と言って良い。 日本の大学という曖昧なものが、大陸型と英米型、これらと場当たり的・現状後追い型とで制度化された。 今も大学改革が叫ばれているが、ちゃんと歴史を見てからのほうが良い。 戦後の改革から現状までを続編として描いてほしい。2023/10/04
へんかんへん
1
学校教育は偉大2016/09/01
-
- 電子書籍
- 『インベスターZ』でお金の偏差値を上げ…