内容説明
漫画家になる夢をもつアヤコと、ミュージシャンを目指すシン。別々の高校に進学することになったふたりは、中学校の卒業式で、10年後にお互いの夢を叶えて会おうと約束をする。そして10年。再会の日が近づく。そのとき、夢と現実を抱えて暮らすふたりの心に浮かぶものは……。単行本刊行時、大反響を呼んだ青春小説の傑作がついに文庫化。恋と夢と現実のはざまで揺れ動くあなたに贈る物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
66
奥手な女の子と、一見チャラいようでいて真面目な男の子の青春。 いつもは主人公のどちらかにだけ共感する事が多いのですが、今回はアヤちゃんもシン君も、宇宙人か?人種が違うと思わず、私の友達といってもおかしくない二人でした。 10年後の約束を、夢叶わなかったシン君が逃げずに向き合ったのに拍手したいです。 アヤちゃんが、そんなシン君に「シン君は凄い」と言ってくれた事も嬉しかったです。 ホノボノとした青春小説でした。2015/10/02
dr2006
63
学祭直前になってバンドが解散してしまい、出演を諦めるシンに、彼の歌の上手さを知るアヤコがソロで歌うことを薦める。それをきっかけに思いを通わせるようになった二人は、卒業式の帰り道、アヤコは漫画家に、シンはミュージシャンになって、十年後にこの同じ場所で会おうと約束する。その後の二人の十年間が交互に語られていくプロットに強く引き込まれた。約束は風化しないが、変化しない環境や心境はない。遠い昔に置いてきた自分の若気の至りと無防備な約束を思い出して、なんだか切なくなった。豊島さんの描くアオハルがやっぱり好きだ。2020/12/27
はる
59
これは好みだなあ。表紙も谷川史子さんだし。少女漫画のような展開だけれど、大人になれば夢ばっかり語っていられない。このあたり、豊島さんの文章は何気なく上手い。視線が鋭いというか、するりと心に伝わる感じ。ほのぼのとした恋愛シーンが凄くいい。2014/12/11
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53
図書館**青春小説**漫画家を目指すアヤコ。ミュージシャンを志すシン。二人は約束を胸に別々の高校に進む"10年後にまた会おう!"と…。そして10年。再会の日が近づく。淡く切ない、残酷だけど美しい日々を描いた青春小説ついに登場!(紹介文・他より)――なんて綺麗で素敵な思い出だろうか!そんな瑞々しい感動と共に本を閉じました!夢を叶えられた者、叶わなかった者、それぞれの胸中に様々な想いはあるでしょう。でも、その努力と情熱は、絶対本人を裏切らない、そう彼らに伝えたい!ロマンチックな感動を頂ける傑作青春小説!良書!2013/07/05
早紀
41
「十年後の今日、三月十四日、ここっ」再会の約束をして別れた二人。再会までの十年間、それぞれの視点から丁寧に語られる。文章が優しくて柔らかくて、すうっと自分の中に入ってきて心地良かった。誰もが自分の夢を叶えられるわけではないし、新しい恋だってする。けれど、二人が同じ空間にいた日々は決して無駄ではなかったと思う。甘酸っぱくてほろ苦い、素敵な本だった。2017/01/02
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