中公クラシックス<br> リヴァイアサンII

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中公クラシックス
リヴァイアサンII

  • ISBN:9784121601087

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内容説明

真の信仰は何を意味するのか。ローマ法王庁の支配を否定し、宗教から独立する王権の絶対権力確立を説く。近代思想に大きな影響を及ぼした大著の二十六章以降を収め、年譜、索引を付す。

目次

第3部 キリスト教的コモンウェルスについて(キリスト教的政治原理について
『聖書』諸篇の数、時代、意図、権威およびその解釈者たちについて
『聖書』諸篇における霊、天使および霊感の意味について
『聖書』における神の王国、ホウリィ、セイクリッドおよびサクラメントの意味について ほか)
第4部 暗黒の王国について(『聖書』の誤った解釈からくる霊的暗黒について(抄)
悪魔の学、その他異邦人の宗教の遺物について(抄)
空虚な哲学と虚構の伝説から生じた暗黒について(抄)
こうした暗黒から生ずる利益について、およびそれ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かわうそ

36
「コモンウェルスの設立前には、すべての人がすべてのものに権利を持ち、また自分を維持するのに必要と思われるすべてのことを行う権利を持っていた。その目的のためには、他人を屈従させ、傷つけ、殺す権利があったのであるりすなわちこれこそが、すべてのコモンウェルスが行使している処罰の権利の根底である。すなわち、国民が主権者に処罰の権利を与えたのではない。国民はただ彼らの権利を放棄することによって、主権者が国民全体の維持のために適当と考えるところに従ってみずからの権利を行使することを強化したのである。」P652022/11/08

井上裕紀男

22
市民法について上巻から続きますが、法は公布するだけでなく、権限を有する主権者がだれで確たる意志の下作られたしるしがあってこそという下りは納得。誰彼構わず立法されては国立ち行かず。 国民の従順と和合によって統治が成り立つというのは、無理やり独裁している為政者に聞かせたい。誰に従うか決めた民によって国は初めてうまく機能する。 「生命と手足を奪われぬよう、主権者は正義を教えられるべき」、隣人を侵害することは許されない。 キリスト教に関する考察に多くを割かれていて難解ですが、思考の機会を与えてくれる一冊です。2021/07/17

さきん

11
後半は国家の解体要因とキリスト教批評にうつり、大部分はキリスト教批評となった。当時に生きた著者としては、主権を国民が有する国家までを想像できなかったようであったが、それでも、君主制の問題点も細かく指摘しており、国民のほとんどが著者並みに思慮深いならば、君主を抱いても、国民主権でも上手く国家を営んでゆくのは可能だと思った。キリスト教批評は当時としては、随分深いところまで批評できていると感じた。イギリス国教会の存在やプロテスタントの台頭、哲学の発展などが著者の自由な宗教談義を可能としたと思った。2015/08/23

逆丸カツハ

5
神は確かに存在するがとても長い間現れず、預言者が現れてもそれが本物かはわからないという世界で、教会と国家の二重の権威が存在する体制について考えている模様。自然法は、コモンウェルスが完全に自己を自己によって再帰的に規定する自由を禁止する装置として機能しているようで、その点、マルクス・ガブリエルの自己言及の禁止の議論と形式的に類似性があるのだろうか……と思った。2021/01/03

yuui02

3
教会批判。ホッブズは現世では人々が設立した政治的権力に従うべきと言ってる。コモンウェルスに反するのは神の法に反すると。2014/04/07

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