中公クラシックス<br> リヴァイアサンI

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中公クラシックス
リヴァイアサンI

  • ISBN:9784121601070

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内容説明

自然状態では万人が万人と闘って死滅するのを恐れた人間が契約によって創りだした国家を巨大な怪物リヴァイアサンにたとえ、その根拠を探求した政治学の古典中の古典。二十五章までを収める。

目次

第1部 人間について(感覚について
イマジネイションについて
イマジネイションの継起あるいは連続について
言語(スピーチ)について ほか)
第2部 コモンウェルス(国家)について(コモンウェルスの目的、生成、定義について
設立された主権者の権利について
設立によるコモンウェルスの種類と主権の継承
父権的および専制的支配について ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かわうそ

41
ホッブスは究極のリアリストだと思う。契約が良く機能するためには契約を結ぶ両者を超える強制力が必要となる。というのも人間の本性というのは言葉で制するのは不可能であるから。人間は自分よりも強大な存在がいなければ、契約の履行の確証がそもそも生まれない。そうなれば、約束を守ることが互いにバカバカしくなるのは必然で契約の存在意義自体が無くなる。契約は人間に固有なものであり、人間である以上、契約を通さずに(社会的な行為を通さずに)発展を遂げるというのは無理だと思う。でなければ理性の存在する意味が無い。2023/12/11

かわうそ

38
「万人の万人に対する闘争」で有名なリヴァイアサン。しかし、この本で翻訳されているように「各人の各人に対する闘争」とした方が意味合い的に正確です。ホッブズは「各人の各人に対する闘争」になる背景として、一部の人間が暴力を通じて人を支配することに喜びを感じるためであるとします。そのために、平和を好む傾向のある人間までもが自己を守る必要が出てきて、リヴァイアサンつまり、強大な力による統治が必要となるのです。それがすなわち、コモンウェルスと呼ばれており、それは唯一主権を存しているもので、その他は国民として扱われます2022/11/06

さきん

11
本書の入りは、人間とは何かや学問の発生経緯など、コモンウェルス(国家)論には中々入らなかった。言語の重要性に気付いているのはさすがだと思った。やがて自然法の説明に入った。自然権は、人が自分自身の生命を維持するために、自分の力を自分が欲するように用いる自由である。自由とは、外的な障害の存在しないことである。自然法とは、理性によって発見された戒律または一般法則であり、それによって人はその生命を破壊することが禁じられる。自然法からは、二つの法則があって「平和を求め、それに従う」、「可能なあらゆる方法によって2015/08/23

ハジメ

7
本著の第二部、第二十四章はアダム・スミスの『国富論』で述べられる基礎概念とほぼ一緒だ。アダム・スミスがホッブズの著書をどんな視座をもって読んでいたかとても気になるところ。また『銃・鉄・病原菌』で導きだされた解答の原石がここに存在すると言っていいかもしれない。2012/11/28

逆丸カツハ

5
国家を正当化する論文なのに、認識は言語によってなされるということから論じられることに言葉と契約によって共通善を追求していく西洋的文化の根底があるのかなと思った。無意識の発見以後、人間は言葉、理性によっては自分自身すら十全に支配することができないということがわかったが、この後の社会契約論ではどう折り込まれていくのか気になった。自分自身を支配できないから他者との契約を結ぶのかもしれないが。また、西洋的な民主主義国家が言葉と契約の国家であるとすれば、今の中国は情報とドグマの国家と言えるのだろうかと思った。2020/12/11

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