内容説明
陸上自衛隊輸送トラック襲撃、連続過激派殺害。公安と刑事部の捜査線上に浮かんだのは、テロ計画〈Nプラン〉関与で自衛隊を退職となった折本敬一。一体〈Nプラン〉とは何か? いま折本が企む謀略とは? ひとりの男が超大国に挑む! 長篇冒険小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つねじろう
61
暑い日が続くから凍えるくらいの本が良いかなあって。ところがとても熱いお話しだった。その始まりもなかなか物騒ではある訳だけどページを捲る度にそのワイドとデプスを増ししっかりついて行かないと話の展開に取り残される。で次から次へと登場する人物に辛抱強く付き合って行けなかったり展開のスケールの大きさとビュンビュン上がって行くスピードについて行けないと振り回され後手後手に回る警察や米国政府と同じ目に合う。グリズリーは言う自分はたった一人の軍隊だと。そのグリズリーに翻弄されながらも魅了される人々の物語です。大満足。2018/07/09
翔亀
46
この作家初読。山岳/警察/探偵小説と様々なジャンルを手掛け、山岳ものに興味を惹かれつつ国際謀略小説の本書に手を出したのは、舞台が知床のため。その意味では登山禁止の半島先端の山々や、百名山の羅臼山が、舞台としてうまく使われ、巻頭の知床半島の地図を参照しながら"知床の机上体験"は楽しめた(私立探偵ものでNYの街を楽しむのと同じ感覚)。ただ米国大統領までを登場させるとなると、趣味の問題ではあるが、こういう"大政治"を物語の小道具として使うには、冷戦後の国際情勢の中ではどうしてもアラが気になってしまう。↓ 2015/08/26
禅
26
熊の様な大男を連想することからコードネーム「グリズリー」と呼ばれる。知床・東京を舞台に更にアメリカ合衆国を相手にテロ行為。戦闘シーンは迫力あるが愛だ恋だと言われると少しふやけてしまう。600ページ越え頑張って読みました。2024/01/31
Yuri
11
タイトルから勝手にクマと闘う山岳小説をイメージしてたら、コードネーム『グリズリー』、爆弾を扱う国際的政治テロリスト。緊迫する場面も多くて、一気読み。何故か最後まで憎みきれないグリズリー。面白かったです。2020/10/21
たぬき君
11
元幹部自衛官がたった一人で超大国に戦いを挑む長編冒険小説。大きなスケールの作品の中、人間的な視野で出来事が描かれ飽きることなく読み進められた。危険思想のグリズリーなのにその逞しさに応援したくなったりして・・。周到な作品づくりを堪能しつつなるほどの結末で楽しめた。2017/11/14