内容説明
翻訳家のなつめは、人妻・吹雪と激しい恋に落ちる。吹雪の家で逢瀬を重ね、子供の昼寝の間に快楽をむさぼる日々。女同士の恋、家庭を壊すつもりなどなかったのに、会えば会うほど溺れてゆき、愛するがゆえに傷つけあわずにはいられない。一方、吹雪の夫・マツキヨは、幼い息子を守るため、そんな妻を受け入れ家庭を再生しようとするが――。一途で、不器用で、あたたかい、愛と赦しの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あんころ
7
すごい心臓を鷲掴みしてくる小説でした。みんな弱いけど必死に人を愛していて切なくなりますね。吹雪さんはちょっと欲張りすぎかなとも思った。あれもこれも欲しくてでも自由に生きていきたいっていうのはちょっと傲慢。でもこういう人に惹かれてしまう気持ちも分かる。あとがきが一番色々考えさせられました。中山さんいいなあ~。また読みたいです。2017/01/01
きょう
5
ある意味あとがきが一番強烈だったかも。男女の恋愛はどんなに不倫でも結局は神から赦されている。しかし(女同士では)その中では垣間見ることのできない光と闇がひろがっており、それを知らずに死ぬのはもったいないことであると。言い切る著者がかっこよい。マツキヨは夫として、ほぼ完璧ではなかろうか…?2016/12/21
らむり
5
だんなさんがいい味出してた(笑)。
スズツキ
4
お、おう……。2014/07/25
備忘録
3
レズビアン小説、おまけに夫を捨てて女に走る妻の物語となれば、当然夫は悪く書かれるわけです。というわけで見るからに鈍感で気色の悪い夫として登場したマツキヨですが、後半になるにつれて同情の念が湧いていくから不思議。彼の内面が詳細に描かれた最終章では「なぜこの父親が捨てられなければならないんだ……」と虚しさすら覚えました。吹雪の魅力は最後まで理解できないなあ。よほどの美人なんでしょうか。2023/05/22




