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内容説明
人は必ず死ぬとしても、誰もが平均寿命ぐらいは生き、家族に見守られ、穏やかに旅立っていけると思っている。でもそんなことはない。明日、事故に遭うかもしれないし、病気で余命わずかと宣告されるかもしれない。著者は、突然、死に直面して混乱し、後悔を残したまま最期を迎える患者さんを多く看取ってきた。なんとかしたい、少しでも満ち足りた気持ちで旅立ってほしい――そんな想いに突き動かされ、幸せとは何か、今をどう生きるかを問う。若き外科医による、熱く清新なる「メメント モリ(死を想え)」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゆ
71
『泣くな研修医』著者のデビュー作となる本。医師9年目、がんセンターで大腸外科医師として日々多くのがん患者と向き合うなかでの想いを綴った本。日常的に死に接する中で、患者の苦しみ・遺族の悲しみに向きあう姿に先ず敬意。でも実は私、死そのものはあまり怖くないんですよね。怖いのは死に至るまでの肉体的・精神的苦痛。死によってそうした苦痛から解放されるのはむしろありがたいことだと思うのですが、自分の感性がズレているのかな?その時になったら怖くなるのかな??こればっかりはその時になってみないと分かりません(^-^;2024/08/17
hundredpink
47
「人生は締め切りがわからないプロジェクト」「いつ死んでも後悔するように生きる」この二箇所に特に感銘を受けました。2016/04/03
クリママ
40
がんセンターで多くの患者を見送った経験をもとに、34歳の大腸外科医が幸せな死のために伝えたいことが綴られる。若い人向けでもある。今の日本人には宗教などの精神的なバックボーンがないが、死を想うことで突然の死の衝撃を和らげてくれる。あなたは自分自身だけでなく、あなたの大切な人にとっても幸せに死んでいかなければならない。それには「人は生きたように死んでいく」と言われるように幸せに生きることが必須。幸せのハードルを動かせば、日常の少しのことで幸せを感じることができる。そして「いつ死んでも後悔するように生きる」⇒2024/10/01
ごへいもち
38
すごくよかった。いろいろ考えさせられた。そして、まだ若くて患者の死や苦痛に慣れていない時にしか書き留められないこと。経験を積んでそれらに慣れてしまうと感受性も磨り減っていくのだろうか。タイトルの必死さにも負けました。著者も必死に頑張って生きてきたからこそ、この年齢でもこのような本が書けるとも2015/09/18
パフちゃん@かのん変更
34
34歳未婚の外科医。がんセンターで毎日人の死を目にする。普通の人は大抵平均寿命くらいまで生きていると考えているが、若くても事故やがんで死ぬ人は多い。もちろん今は治るがんも増え、抗がん剤で生き延びるのも長くなった。でも、予想もしていなかった人がいきなり死を突き付けられるのはかなりショックだ。そして、死は一人で立ち向かわねばならないのだ。若くても、金持ちでも、有名人でも容赦なしだ。誰でも必ず一度は死ぬのだ。『いつ死んでも、後悔する。私は、こんなふうに生きたいな、と思っています.』と、結ばれている。2022/01/18