集英社文庫<br> 平成大家族

個数:1
紙書籍版価格
¥726
  • 電子書籍
  • Reader

集英社文庫
平成大家族

  • 著者名:中島京子【著】
  • 価格 ¥555(本体¥505)
  • 集英社(2013/07発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087466188

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

三十路のひきこもり息子と90歳過ぎの姑と共に、静かに暮らしていた緋田夫妻。ある日突然、破産した長女一家と離婚した次女が戻ってきて、4世代8人の大所帯に! 物置に閉じこもる孫、離婚後に妊娠が発覚した次女、戦中の記憶と現在を混同する姑……平穏を愛する当主・龍太郎の思いをよそに、次から次へと騒動が押し寄せる。悩み多き一家の姿を軽妙に、時にシニカルに描く痛快家族小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

568
長女は破産、次女は離婚で次々に実家に帰ってくる。とうとう9人が一つの家に同居することに。みんなそれぞれに葛藤を抱えてはいるのだが、その中にあってご隠居のタケ、ヒッキーの克郎、身重の次女の友恵は、どこか飄々としたもの。ドタバタ喜劇になるのかと思いきや、そうはならない。中島京子の物語るテンポはひじょうによく、しかもこの家族の人たちを見る目が限りなく優しい。大団円で問題がすべて解決したわけではなく、あくまでもそれなりになのだが、そうした結末こそがこの家族には相応しいようだ。2021/01/28

yoshida

273
温かい家族小説。ひきこもりの長男や、破産して実家に戻ってきた長女夫婦と孫。そして、離婚して戻ってきた妊婦の次女。4人で暮らしていた緋田夫婦は、一気に8人の大所帯になる。描きようによっては、いくらでも暗く出来るのだが中島京子さんは、明るく軽妙に大家族の姿を描いてゆく。そして、一度は集まった家族もそれぞれに光明を見出だし、緋田家から再び巣だってゆく。個人的には株のトレーダーをしていた長男の克郎に訪れた幸運が、本当に良かったと感じた。人生に起きる物事を多面的に見れば、絶望にも希望にもなるのだ。素敵な作品です。2016/07/23

おしゃべりメガネ

191
『平成』最後の本日に読了できて、本当に良かったと思えるステキな作品でした。『東京バンドワゴン』シリーズが好きな方にはオススメできる内容かなと。『東京〜』ほど平和?ではないかもしれませんが、タイトルにあるように大家族をテーマにした作品で、笑いあり涙ありと見事なヒューマンモノです。家族それぞれの事情や目線から展開される連作な構成は読みやすく、テンポもよく飽きないですね。話によってはちょっとシリアスなモノもあり、ただ感動するだけでは終わらない内容です。人生色々ありますが、やっぱり健康で平和なのが一番ですね。2019/04/30

冴子

178
中島さんらしい優しい家族物語。元歯科医で都内の一戸建てに住んでいる夫婦の下に諸事情により戻ってきた娘たち家族。自分に諸事情があっても、家族を思いやる気持ちが胸を熱くする。長女の夫も面白い人物だし、引きこもりの長男も心優しい。読み終わってほっこりした。2017/01/02

yanae

165
お気に入りさんに中島さんの作品でお勧めしてもらった本。すごくおもしろかった!90才越えの祖母、緋田夫妻に子供二女一男⬅順番はこれでいい(笑)、そしてそれぞれの家族、と急に四世代大家族になった緋田家。静かだった生活は急ににぎやかに。タイトルに「平成」がつくのがその通りで、核家族化してる昨今の中、こうして大家族になるのは出戻りの家族に問題が起こったから…。各々の問題を各々の視点から書いていて、同じ問題も人によって見方が違うのが面白かった。克郎が一番読みごたえがあったな。最後のオチも面白かった。中島さんうまい!2017/08/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/640570
  • ご注意事項

最近チェックした商品