内容説明
穂高岳の難所に挑んだ小坂は、ナイロンザイルが切れて墜死する。彼と同行した魚津は、自殺説や醜聞にもめげず、友の死の真相究明に全力を注ぐ。そして小坂の恋人だった美貌の人妻美那子への思慕を胸に、困難な単独行を敢行する……。雄大な自然と都会とを対応させ、完璧な構成のもと、恋愛と男の友情を劇的に描く。NHK土曜ドラマ『氷壁』原案。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふらら
4
徳沢園(書中に出てくる徳沢小屋)に宿泊予定なので、その前に読了。自身も山に登るので面白かったです。今も昔も穂高は山屋憧れの地です。小坂と魚津のように雪山、まして壁は無理ですが、今年の夏は涸沢経由で奥穂高に行ってみようと思いました。ザイルは切れたか切られたか?常盤の言うように山を愛する者が山を裏切るようなことをするわけがない、私も同感です。小坂や魚津が山での景色を見せたいと思わせた美那子はやはり魔性の女です。2017/04/28
ゆきたろう
3
一気読みしてしまった 魚津恭太には死なずにかおると幸せになってもらいたかった 山男はやっぱり山で死ぬのかなぁ 常盤大作が 懐の深い上司で素敵だった2015/08/16
かもめ
2
1957年に出版された小説ですか、名作とは時が経っても瑞々しさを失わないものだと改めて感じました。新聞記者だった井上靖さんの文章はリアリティーに富んでいて話の流れに引き込まれていきました。2014/06/02
みるちゃん」
2
古風な文体ですこし当世風な小説が氾濫しているなかで、やはり名作は名作なりの風格が感じられますね。小坂と魚津の登攀場面や魚津一人での山行きの場面なんかは最高ですね。以前からこの小説のことは知っていましたが、なんとなく読む機会がなくて今回読んでよかったと思いました。2012/08/21
もぐ
1
一気に読んでしまった。ザイルの問題はとても興味深く共感だが、恋愛の方はどうでもいいかなー2023/08/01