黒十字サナトリウム

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黒十字サナトリウム

  • 著者名:中里友香【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 徳間書店(2016/04発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198625979

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内容説明

黒十字サナトリウムは患者様の性別、年齢、人種、また資産や社会的地位など一切を問いません。けれども一つだけ共通点がございます。此処にいる方は、どなたも御自分を吸血鬼のたぐい、異形の存在だと思い込んでいらっしゃるのでした…。その家はいつしか『吸血鬼屋敷』と呼ばれるようになった。そんな彼らが集う、黒十字サナトリウム。復活祭の日、何かが起こる―。第9回日本SF新人賞を受賞した、流麗かつ壮大な幻想譚。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

36
ある日、自分が狂っていると自覚して事実を知っていたらしき、厭味な学友を殺してロシアへ出奔した憑き物筋の教授。死んだはずの友から焦がれていた人の真実を知らされた上で手を取った結核病の美丈夫。血が止まらない血統であることを盾に死にたいとほざきながら死ぬ気のない母のエゴから妹を守るために主治医共に葬った兄。吸血鬼を研究する医者に心酔する永遠の少女めいた看護婦の惑乱。彼らの物語から浮き上がるのは受肉した彼の者の肉体の行方と果てしなき彷徨。人間に似て異端故に世界から引き離されるしかない彼等の安らぎの場の暗喩に愕然。2013/02/23

papako

25
Readerにて。時系列がばらばらの連作短編集。吸血鬼とキリストをからめているが、結論も着地点もなく、漂うようなお話でした。文章は読んでいて心地よく詩情たっぷりかな。面白くないわけではないけれど、読者というより、作者が書きたいお話を書いたよう。嫌いではないです。銀翼の~のような物語を書いて欲しいですね。2014/03/30

小夜風

23
【電子書籍】絶版でとんでもない価格がついていて手が出せなかったのですが、電子書籍で読めると知り、これが読みたいが為に初・電子書籍に挑戦しました。面白かった!冒頭にヨハネの黙示録が載っていて、物語の舞台が蓬ヶ原とあっては、あの事故が出てくるのかと予感がしましたが、出てきましたね。書かれたのは2007年辺りなので、今ならどんな物語になっただろうかと、興味が湧きました。吸血鬼伝説が様々な疫病や疾病と密接に結びついている説とか、キリストの解釈も凄く面白かったです。日本は火葬の国らしいですがうちの祖母は土葬でした。2018/08/16

碧月

13
ある朝突然に、自分が狂ったことを自覚した教授、友人の奇行を心配する結核の青年、母親殺しの美貌の双子…。それぞれの話が微妙にリンクして、双子をめぐる大きな話に。双子の印象が途中で別人になってしまったみたいで、ちょっと戸惑ったのと、差別やチェルノブイリの話など現代問題を入れすぎな気もしましたが、吸血鬼についての考察や、易出血症の遺伝の話、近親間の複雑な感情など好みでした。図書館で借りたものですが、帯がついていて良かったです。2013/03/27

かりさ

11
うわぁ!めちゃくちゃ好きな世界観。この耽美さがたまりませんでした。何というのでしょう、直接的な表現はないのに妙にドキドキしてしまう。美しく無駄のない文章に心地良く惹きこまれいつまでもゆらゆらしていたいほど入り込んじゃいました。いや~ところどころに散りばめられた欠片がひとつひとつ形となっていくさまが見事でそこにまたうっとり。堪能させていただきました。(もう読みながら何度装丁のイラストを見たことか!この表紙もいいのよねぇ)2009/04/25

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