出版社内容情報
事件屋稼業、片岡直次郎がどんな無茶苦茶な依頼も解決する結末予測不能の活劇連作。入手困難の原型作品やスピンオフも収録し〈完全版〉として復活。
内容説明
渋谷宮益坂に怪しげな事務所「faa」を構え、所長かつ唯一の所員でもある“一匹狼”片岡直次郎は、警察に頼めないトラブルの収集屋。警官隊の包囲から殺人犯を脱出させる方法やエレベーターで人質にされた少女の救出まで、どんな無理難題も見事に(時には思わぬ手段で)解決する。予測不能な結末必至の活劇連作が、編者の詳細な解説や入手困難な原型となった作品を加え“完全版”として復活。
著者等紹介
都筑道夫[ツズキミチオ]
1929‐2003年。東京生まれ。早稲田実業学校を中退。雑誌編集のかたわら十代後半から時代小説を執筆。のち推理小説の翻訳に携り、1956年早川書房入社。「エラリイクイーンズミステリマガジン」の編集長を務め、「ハヤカワ・SF・シリーズ」の創刊に尽力。1961年「やぶにらみの時計」を発表。以後、評論やエッセイでも活躍。2001年『推理作家の出来るまで』で日本推理作家協会賞を受賞。2002年、日本ミステリー文学大賞を受賞
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968年、神奈川県生まれ。SF・ミステリ評論家、アンソロジスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fukumasagami
22
1968年に出版された都筑道夫の活劇小説集「一匹狼」に、同じ主人公片岡直次郎の中編と、元になった短編2篇を収めた完全版。高度成長期の日本を舞台にトラブルシューターが活躍する。2022/01/30
本木英朗
22
日本のミステリ作家の一人、都築道夫の作品のひとつである。俺はもちろん、今回が初めてだ。渋谷宮益坂に怪しげな事務所を構え、所長かつ唯一の所員でもある一匹狼の片岡直次郎は、警察に頼めないトラブルの収集家。警察隊の包囲から殺人犯を脱出させる方法やエレベーターで人質にされた少女の救出まで、どんなミリ難題も見事に(時には思わぬ手段で)解決する……という「吸血鬼飼育法」4編ほかのことが書いてある。やっぱり俺は、2編目と4編目が面白かったよ。他にもみんなよかったけれどねえ。またいつか読もうと思う。2020/10/31
かわちゃん
10
2021年に1960年代後期の、この軽快なアクションミステリーを読めるってのも、素敵ですよね。長い時を経た連作集ですが、その時を軽く超える楽しさってのも、やはり都築先生のエンターテイメント性ですかね。本格派前夜のこの雰囲気も楽しみました。2021/02/21
鵙屋
5
★★★★☆ とうとう手を出した都筑道夫。吸血鬼漫画にはまっている今ぴったりのタイトルだと借りてみたら、ケレン味たっぷりのシリーズだった。ちょっと軟派で時々ハードボイルドなfaaの片岡直次郎が巻き込まれる事件は、どれも意外性たっぷり。表題作はオタクが思ってたんとは違ったが思ってたよりオタク喜ぶ内容で満足。報酬が5万とか50万で随分お安いと思っていたが、コーヒー一杯70円の時代の物語でびっくり。古さを感じさせない手腕に脱帽でした。2021/09/10
ムーミンママ
4
ちょっと古風だけれど とっても面白い。他の作品も読んでみたくなった。2021/08/04