内容説明
下巻では、聯合艦隊司令長官に任命された山本五十六が、いよいよ真珠湾強襲の構想を固めるところから、昭和18年4月18日、ブーゲンビル島上空において敵機の襲撃を受け壮絶な最期を遂げるまでを克明に綴る。世界を震撼させた天才提督の栄光と悲劇を、膨大な資料と存命者の口述を基に、生き生きと甦らせ、激動の昭和史を浮彫りにした、必読の記録文学である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ykmmr (^_^)
145
後半は、真珠湾攻撃〜ブーゲンビルでの戦死を中心に、それへ向かう五十六。自分の役目を終えたような最期と遺された人たちの動きや心情。人間味溢れ、良くも悪くも素直。戦争に反対し、日本を憂いながらも、実際は太平洋戦争のきっかけを作った。内閣や軍部上層部との折り合い・軍人としての誇り。こちらも、現在変わらず様々な歴史観がある中で、本当に最適な答えを見つける苦労が垣間見える。2022/05/23
skunk_c
64
下巻はほぼ太平洋戦争に当たる。本書では山本の作戦や戦略などについての批判はほぼなく、むしろ周辺の人物の動きなどを通じて、淡々と語っている。白眉は山本戦死の部分で、暗号解読や墜落現場捜索(著者は実際に行っている)は他書の追従を許さない。上下巻通して感じるのは、著者が書きたかったのはできるだけ生身の山本五十六なんだなということ。しかも幼少時などはほぼ捨象され、軍人として生きている時代に焦点が当てられている。そしてその方向性は『米内光政』『井上成美』にも引き継がれる。丹念な取材が光るさすがの筆致であった。2022/09/17
り こ む ん
30
戦争を回避しようとしていたのは、知っていたけれど…その前、三国同盟も命がけで反対していたとは知らなかった。山本五十六その人は、先見の目をもち、駄目なものは駄目と言えた人だったのだな…でも、まわりが、時代が、彼の意見を押し退けていき…真珠湾での戦果が…日本が驕れる極東の小さな島国を神国へ押し上げた。開戦前に彼は言った「1、2年は多いに暴れてやりますが、その先は…」その言葉の意味を時の内閣は、真剣に考えるべきだったのでは?海軍はもっと強く陸軍に対するべきだったのでは?今となっては後の祭…時代の流れと空気の中で2014/09/09
金吾
29
海軍人気を象徴する人だと思います。 信念を強固に持っていながら、人情味がありすぎて責任を取らすことも取ることも出来なかったのかなと思います。またリアリティある考えを持ちながらも個人の名誉心がリアリティの追及を妨げたようにも感じました。2025/03/28
James Hayashi
26
対米戦争が起こったなら、日本の国力の持続は1年半と言われた。著者は米国が事前にパールハーバー襲撃を知っていたかという歴史の疑問に対しノーの判定を下している。早期講和を目指したが、運の悪さが重なった惨敗のミッドウエー海戦。それ以降、偽の報道が当たり前になった。山本五十六は太平洋戦争のヒーローではない。日米開戦には反対であったが戦争を遂行する立場にあった人間。たとえ生き残っても戦局を変える事はなかったであろうし、責任問題はついて回った事だろう。裏付けを取り正確な情報のみで本文を作られている著者に恐れ入った。2015/10/29
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