チェンジング

著者名：吉富多美【作】

金の星社（2013/10発売）

• ISBN：9784323071244

内容説明

母親をなくし、クラスでいじめを受けている森河大夢は、ファンタジー小説を読むことだけを楽しみに、その想像の世界に身を置くことで自分を守っていた。

しかしいじめっ子たちから逃れているうちに、偶然知り合った料理の先生・香奈子と出会い、料理の世界に触れ、現実に立ちむかう勇気を得ていく。

「怒るのも泣くのも自分を作るいいスパイスになるはず。じっくりゆっくり『心の鍋』を煮込んでいこう。子どもたちに今こそ読んでほしい一冊です」青木和雄

目次

第一章　勇者は旅をする
第二章　とりでに咲くバラ
第三章　軍団の旗
第四章　クスノキの下で
第五章　沈黙の謎
第六章　勇者からの伝言
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[☆よいこ]

児童書。YA。小学5年生の大夢（たいむ）はいじめっ子に追われ見知らぬ庭に逃げ込んだ。助けてくれた香奈子に料理を教わるうちに、大夢は色んなことに気づいていく。イギリスの歴史小説『チェンジング・ワールド』に出てくる勇者のように、自由の心を持って的に立ち向かう。大夢は同級生たちと「ユニオン」を作り、いじめに立ち向かう。▽香奈子が教えてくれる料理が、栄養満点で美味しそう。「口に入れるものを選ぶのはね、自分で自分をつくるということなの」子供を見守る大人の存在が嬉しい▽ずいぶん昔に読んでいたけど、紹介のために再読良本

2022/04/28

[ゆみねこ]

小学校５年生の大夢（タイム）が、大好きな本と大切な友達、料理を作ることを通していじめのあるクラスを立て直していく物語。児童書ですが、大人にもうったえる部分が沢山ありました。小学校中学年以上のお子さんをお持ちの皆さん、親子で読まれたら良いと思いますよ。

2014/03/16

[どら母 学校図書館を考える]

勤務先図書館で、違う棚にあったのを戻そうとして、どんな話かちらっと見たら引き込まれて、読み切ってしまいました。いじめ、母の死、両親の不和、ネグレクト、これでもかと盛り込みながら、偶然出会った大人との良い関係と料理がいい味出してる。「ハッピーバースデー」の共著者だった。

2016/10/14

[頼ちゃん]

現実にはこううまくはいかないかもせれないが、なんか勇気がわいてくる一冊。料理と本の力が感じられるのもいい。

2018/01/06

[ちゃーちゃん]

学校で声が出せない程いじめられていた大夢。母は病気で亡くなっており、父親は大夢に心を閉ざしている。でも、偶然逃げ込んだ家に住む加奈子おばさんに、料理をおそわりながら次第に心と体に栄養を注ぎ込んでいく。そして、クラスの仲間たちとも・・・。人間の負の部分を見つめつつ、それを正に持っていく可能性も感じられて、本当に親子で読んでほしい本ですね。

2015/07/05