内容説明
血液型と性格はまったく関係ありません! 適性検査などで使用される心理(性格)テストは、ほとんど使い物にならない。「血液型人間学」から、「ロールシャッハ・テスト」等々。何とみんな事実無根です。※本作品は2005年4月、日経BP社から刊行された単行本を文庫収録にあたり加筆、修正したものです。
目次
第1章 なぜかみんなの好きなABO―血液型人間学(卒論で血液型研究に取り組む 衣替えしたニューバージョン登場 ほか)
第2章 万能心理テスト―その名は「バーナム効果」(誰もが「当たっている!」と感じる質問 「ドクター・バーナム」の威力 ほか)
第3章 インクのシミで心を占う―ロールシャッハ・テスト(ロールシャッハとのなれそめ ロールシャッハ・テストの成り立ち ほか)
第4章 定評ある性格テストは大丈夫か―矢田部ギルフォード性格検査(性格心理学の授業で そもそもYGとは ほか)
第5章 採用試験で多用される客観心理テスト―内田クレペリン検査(教員採用対策ゼミ 内田クレペリン検査の概要 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ステビア
24
根拠もないデタラメな検査を使うのはやめよう2021/07/23
pacino
4
血液で性格を判断する人は随分少なくなったと思うけど、SPI等までしっかり否定しているのが素晴らしい。メンタルヘルスチェック等も相当怪しいと思ってます。2021/04/08
tuna
4
血液型、心理検査について、信頼性、妥当性が検討され、それぞれの誤りや嘘が指摘されている。既存の心理検査を何の批判検討もせずに使うということにはやはり問題があると改めて感じることができる。同様に、著者の言葉をそのまま批判検討せずに飲み込むこともできないけれども。ロールシャッハのソフトを開発しつつも、ロールシャッハから離れていく流れが面白かった。2015/01/04
うたまる
2
「実は、世間で広く使われている心理テストはまったく当てにならないし、根拠もないんです」……血液型人間学、ロールシャッハ・テスト、YG性格検査、内田クレペリン検査の信頼性と妥当性に疑義を呈す書。新卒の就職活動の時にこんなのをさんざんやらされた記憶が甦る。統計的検討、原文解釈、再現性、世界の趨勢などからその有効性にアプローチしていき、いずれも実体はお粗末なものだと思い知った。尚、本書は主旨もそうだが、著者の書きぶりも面白い。「あまりにも情けない。これでも学者かと疑う」など、同業者に対しての毒々しさが比類ない。2018/04/07
米川青馬
2
読了。血液型診断、ロールシャッハ・テスト、YG(MG)性格検査、内田クレペリン検査が科学的妥当性を欠く(=当たらない)ことを指摘する一冊。別にすべての心理テストを否定しているわけではない。それにしても、「信頼性の高い診断結果」よりも、騙しのテクニックを駆使した「偽の診断結果」のほうが人は当たっていると思うとは興味深い。つまり、人は別に自分の真実を知りたいわけではなく、プチ宗教として性格診断や占いを信じたいのだ。プチお告げを戴いて、明日へのパワーとしたいのだ。これは人類に染み付いた習性のようなものだと思う。2011/12/13