個人化社会

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個人化社会

  • ISBN:9784787232885

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内容説明

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高度に情報化され、個々人の選択と責任がきわめて重視される現代社会を生き抜く人々のありようを「個人化」という視角から読み解き、家族や宗教、貧困、労働、自由、愛、セックス、暴力など多様な素材をもとに流動性が高まり不安定で不確実な社会状況を透視する。

目次

謝辞

 序章 語られる人生、生きられる物語―――ひとつの序曲

第1部 存在のあり方

 第1章 労働の隆盛と衰退
 第2章 ローカルな秩序とグローバルな無秩序
 第3章 自由と安全―――その統合をめぐる果てしない、嵐のような物語
 第4章 モダニティと透明性―――破局したロマンスの物語
 第5章 私は弟の世話役ですか?
 第6章 差異をはらんだ統一

第2部 思考のあり方

 第7章 批判―――私化され武装解除された
 第8章 進歩―――同じものと異なるもの
 第9章 貧困の使用法
 第10章 教育―――ポストモダニティのもとで/のために/にもかかわらず
 第11章 グローバル化する世界のなかのアイデンティティ
 第12章 信仰と即席の満足

第3部 行為のあり方

 第13章 愛は理性を必要とするか
 第14章 私的な道徳と不道徳な世界
 第15章 二つの戦線に立つ民主主義
 第16章 暴力、過去と現在
 第17章 セックスのポストモダン的使用法について
 第18章 不死の後に生は存在するか

訳者あとがき――鈴木智之
人名索引
事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

デンプシー

1
各トピックは非常に面白かったが、全体像が掴みきれなかった。ambivalenceへの対処として文化や様々な社会・経済制度が作られたが、グローバル化(→政府の退行、労使の別居など)や欲望(?→啓蒙)によって個人化社会が進んできており、むしろambivalentになっている。一応こう解釈をした。ただ、システムの問題の私化(個人への矮小化)や脱規制化がそこにどう関わるのか(chicken-and-egg problem?)、identity形成の話、依存と倫理の話などのセクションの位置づけ等、色々と疑問がある。2022/11/15

抹茶ケーキ

1
個人化した社会では、個人はリスクに自分一人で対処することが求められる。その重すぎる負担によって様々な問題が生じている。みたいな話。ベックやギデンズとも通底する問題圏。「現在では、不安定さは、選択したりしなかったりするものではない。不安定さは、宿命なのである」(213頁)。冷たい理論家だと思っていたけど、ヒューマニスティックな文章が所々に見えて面白かった。「人間社会の最も貧しい人々がその極貧状態から解放されなければ、その他の人々も、漠然と広がる不安や無力感から解放されることはありえない」(162頁)。2018/01/14

メルセ・ひすい

1
10. 25 個々人の選択と責任が重要視される時代のありようを、家族や宗教、貧困、労働、セックスなど多様な観点から論じ、不安定で不確実な社会状況を生き抜く人々の生を「個人化」という視角から読み解く。2008/07/25

デンプシー

0
折角なので再読。前回は全体像が掴めないとコメントしたが、あまり難しく考えずに、「個人化」とその裏返しである「不確実化」が進む社会を様々な観点で記述した本だと捉えて良さそう。本書のコミカルな語り口に隠されがちだが、人間の性向や社会の趨勢を変えるのはとても難しいことを考えると、個人化社会の行く末に悲観的にならざるを得ない。特に今回印象に残ったのは大学の危機について。市場原理に投げ込まれた大学が取りうる正反対の2つの手段はいずれも事実上撤退戦で、その状況を打開しうるのは大学の多様性との意見は心に留めたい。2022/12/04

. bunjin

0
2009年の論文の骨格になった本のひとつ。特に第一部「存在のあり方」は面白かった。第6章「私はあなたの弟ですか?」はソーシャルワークと福祉国家の問題を取り上げている。

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