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内容説明
永井隆の父親がモデルとおぼしき〈中江登〉は、大病院の息子ながら使命感に燃え、新婚間もなく僻地の村で開業医の第一歩を踏みだす。
貧しさと無知がはびこる村で、人々の冷たい視線を気にせず、患者の使いが来れば夜中でもカバンをさげて駈けつける〈登〉。妻もまた、看護婦として協力するかたわら、村の女房や娘たちに少しでも社会的目を開かせようと、託児所造りに奔走する。
だがそうして1年間、身を粉にして献身的に働いた報いは、薬代の支払いと空っぽになった箪笥だけだった――。
折りも折り、先輩の病院から副院長の誘いの手紙。二人の心は動く。とりあえず様子を見るだけと自分に言い聞かせて出かけた二人は途中で、胸を悪くして紡績工場を解雇された娘を迎えて戻る、母娘に出会う。
二人の心はまた動いた。「やっぱり村へ帰ろう。この村には人が住んでいる」
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トラッキー
1
医者の仕事は難しい。人の不幸から金を儲けるのかと言われることは、健康保険制度の確率した今日はないのだろうが、大病を派手にやっつける医者がもてはやされ、小病を未然に防ぐ名医が軽んじられるのは今日も同じだろう。すべての職業は平等というが、医者と政治家は別だと思う。しっかりした思想のある者がやらねばならんし、金儲けを目的にやってもならん。だから自分には出来ないと思った。2024/08/12
Gen Adachi
0
何気なく読んだけれど、すごく共感できる内容だった。僕もやっぱり田舎でもいいし、肩書なんか関係ない必要とされる場所で、医者ができたらどんなに良いかと思った。 「村からの病人の影が消えて、村医が失業し、官有地に掘っ立て小屋をたててもらって、物ごいをする日が来れば、大願成就ではないか?」
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