内容説明
「試者の灰」をもって王を葬り、闇のものたちをも率いて世界をも壊そうとする剣士アドニス。彼と少女剣士ラブラック=ベルの闘いは痛く果てしなく、濃密に続く――生きとし生けるもの、全てのことわりを巻き込み続けながら。そしてついに訪れた終わりのとき、ベルが見いだしたものは――? 異能の世界構築者冲方丁、最初期の傑作ファンタジー、堂々の完結!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
明智紫苑
35
『後宮小説』+『ベルセルク』みたいな内容のこの小説、昔ハードカバー版を読んだ時とはだいぶ印象が違う。冲方さん自身は全く政治的意図を込めていなかっただろうけども、これって結構「政治的」な話だと思う。少なくとも政治的な深読みをする余地がある話だ。2016/07/16
いおむ
34
読み終わった~~!作者の熱量がすげェ。若かったんだね。よくぞ書き切った!すごい!正直タイトルから敬遠してたがもっと早く読んでいればよかった。やっぱり冲方丁は面白い!2019/02/09
つたもみじ
32
最終巻。ベルとアドニスの闘い。長く、痛く、苛烈で、そして最後にそれ言うのかよぉアドニス…淋しい…とても。二人、共に、別々の孤独を抱えて。そしてベルは旅に出る。世界観に関しては大体最初に考えていた通りだったけれど、フィナーレの盛り上がりは壮大だった。そして文章から伝わる熱量がすごかった。これが若さか…。ギネスやベネット、ガフ、シェリーとの別れも淋しい。晴れ晴れしくも淋しい。そんな読了感。2017/09/04
眠る山猫屋
27
そしてベルは旅にでる。袖触れ合った者たち、剣を交えた者たちに「ばいばい」と告げて。死者も生き残った者たちも、ベルに自分の一部を託すように見送って、物語は終幕を迎えた。2011/02/18
Dai(ダイ)
25
長かった。一巻で打ち上げられたドデカイ花火は不発、とは言わないものの、期待したほどの広がりではなかった。仕込みにかかった労力は十分に感じられたし、その後の作品に繋がったという意味では価値のある作品であろう。時間と根気がある人にはオススメするが、エンターテイメントを期待しないこと。2013/07/19