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内容説明
一読茫然。日記に生涯を捧げた男 その名は倉富勇三郎! 幕末に生まれ、明治、大正、昭和を生き、三代の天皇に仕えた倉富は、時代の変遷をどう見つめ、年月の足音をどう聞いて、記録にとどめたのか? いざ、前人未到の倉富ワールドへ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
32
26年、297冊の日記!病弱の奥様へのためなのだとも推察できるが、それにしても筆まめさに脱帽。無論、随所に歴史的価値。中でも”摂政”の件が印象深い。時勢の齎す事件対応はもちろんだが、宮中改革にも着手。締りの無い宮家・華族の中、存在感が光る!一方の著者。浜口首相との応酬も氏の人柄を如実に表す。権力ではなくスジ!典型的な官僚とも言えるが、徹底度が秀悦。それにしても”喪服”ねぇ・・・、確かに氏の悩みも一理あり。(汗)2015/02/21
Ted
5
'07年10月刊。△司法官僚から宮内官僚、末は枢密院議長を務めた倉富勇三郎の26年間に及ぶ日記300冊の解読して構成した評伝。世界一の膨大な日記を残すのに彼を駆り立てたものが何だったのか結局よく分らない。出世欲や権謀術数とは無縁の謹厳実直で几帳面な性格であった一方、皇族や華族のスキャンダルには妙に反応してしまう俗な一面もあった田舎紳士の典型といえる。金銭には淡白だったというが、年棒2万円(今の2億円くらいか)ももらってりゃ、そりゃ淡白にもなるだろう。しかし、ギネス記録ものの日記の最後がクソの話とは・・・。2016/05/15
午睡
4
先に読んだ御厨貴の本でも、一種の奇書として紹介されている倉富勇三郎日記を読み込み、佐野眞一が解説してみせたもの。26年分ある倉富の日記はミミズがのたくった悪筆で、おそらく誰も読み通したものはいないのではないかという。それを佐野眞一らは講談社の有志5人で数年がかりで最初の2年分だけ翻刻。本書となった。400ページを超える新書だが面白すぎてまさに巻を措くに能わず。大正時代の宮中大スキャンダル事件など、内部の人間しか知り得ない「ここだけの話」「他言無用」のオンパレード。近代政治の裏面史としてもじつに面白い。2020/02/26
おらひらお
4
2007年初版。福岡久留米出身の高級官僚の日記。一月に大学ノート一冊分が費やされるという膨大な量を誇るが、今まで誰も解読していなかった日記でもあります。読みにくく、退屈な箇所が多いという特徴がその原因ですが、公的な議事録しか残らない会議等の生の発言も記録されており、資料的価値は高そうな感じがします。本書では割とゴシップというか華族の実情を覗き見るような感じになっていますが、解説にあるように政治史的なアプローチも可能だと思います。ちなみに本書もかなりのボリュームです。2011/11/25
なんと
2
11/11/092014/01/05