内容説明
今日はフルーの二十五歳の誕生日。祝ってくれる恋人はいない。一年半前、婚約者に手ひどく裏切られて以来、彼女は男性とのつき合いをいっさい絶っていた。だからその日、犬の散歩中に迷い込んだ隣家の敷地で、不機嫌な隣人アントニオ・ロチャスと初めて顔を合わせたときも、警戒を緩めなかった――彼と私では住む世界が違うもの。スペイン人の億万長者も名うてのプレイボーイも私には必要ない。けれど、どれほど警戒しても、結局は無駄だった。「誕生日の人にキスをするのは決まりみたいなものだろう?」アントニオの温かい息が頬にかかり、フルーは固く目を閉じた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
11
色んな要素を詰め込み過ぎたのかも。存在さえ知らされていなかった娘がいきなり送り届けられて困惑するヒーロー、母を亡くし、父と信じていた人から嘘を吹き込まれた娘本人も混乱。そりゃ揉めるでしょう、他人同然なんだもの。ヒーロー娘には大人な対応をするヒロインも元婚約者の手ひどい裏切りと流産を経験したせいで自分を愛してくれる男性なんていないと思い込んで頑なだし、恋愛がすんなり上手くいく訳がない。ひとつひとつのエピソードをもっと掘り下げてくれたらきっと楽しめたと思うんだけれど。もっとページ数が欲しかったということです。2014/11/20
くろうさぎ
0
ヒロイン元婚約者がひどすぎる。2010/09/28