エミール 〈中〉

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エミール 〈中〉

  • ISBN:9784003362228

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

207
本書(中巻)は、エミールのティーンエイジにおける教育について論じる。後の時代におけるルソーの評価は分かれ、"嫌いな人"と"好きな人″で大きく違う。ルソーを敬愛したフランスの歴史的人物にナポレオンがいる。フランス革命当時、ナポレオンは19歳でフランスの片田舎オーソンヌで″ラ・フェール砲兵連隊″の少尉さんだった。しかし時代の流れは、何らツタもなく、後ろ盾もない若き少尉さんをそのままにしておかなかった。潮流は彼をスタンダードに押し上げる。22歳で大尉、24歳で少佐、27歳のイタリア遠征時には将校になっていた。2018/10/02

びす男

51
「理性はわたしたちをだますことがあまりにも多い」。ルソーの思想のすべてが詰まった『エミール』、二冊目。ここでは「理性」よりも「良心」に重きを置く、ルソーの哲学観がまとめられている。確かに、電車で席を譲ろうというとき、「ゆずってあげよう」と命令するのは良心であり、「はずかしい」とか何とか理由をつけるのは理性であると感じる。理性や世間の常識よりも、良心の方がずっと最短の距離で幸福につながっているのかも知れない。冗長に感じられる部分もあるが、光るフレーズを堪能しながら読み進めていく。下巻を読んで書評を書きます。2015/01/31

イプシロン

39
中巻は青春時代についてである。歴史から学ぶべし。しかし歴史は悪についての言及は多々あるが、善についてのそれはないと……。だから、正しい知恵を養うためには、歴史=人間という観点でもって伝記からも学ぶべきだと。実に卓見。また盲目な恋に走らせる情念に対しては、理想の相手像をしかと描いて探求する情念で打ち勝てというのも卓見である。また趣味といえば、誰かと共有できるものと考えがちだが、ルソーのいう趣味は自分自身であることを追及するためであると。人と違うことを恐れず、ありのままであれ! これが常にルソーの理想なのだ。2016/11/21

かわうそ

37
「ある者はマホメットは神の預言者であると言われて、まほめは神の預言者であると言う。また、ある者はマホメットは詐欺師であると言われて、マホメットは詐欺師であると言う。このふたりは、たがいに相手の国にいたとすれば、それぞれ相手が主張したことを自分が主張したに違いない。そんなによく似た素質の二人を分けて、一方は天国へ、他方は地獄へ送ることができるのだろうか。」135 本書が物議を醸したのには、宗教的寛容性についても言及していたからでしょう。宗教的寛容性に言及することは既存の宗教勢力に喧嘩をふっかけることですから2022/10/25

ころこ

34
教育論として読むには学問的系譜が分からないため冗長に感じ、(上)から1年半中断しました。人間を通して社会を、社会を通して人間を研究しているとすれば、個をつくるのが本書で、個で構成される社会については『社会契約論』になります。個をつくる哲学的思索が途中から長く続き、もはやエミールとは関係なくなります。既成宗教の偏見を批判し、普遍宗教や宇宙の摂理について語っている視点は非常に現代的です。しかし、哲学の議論としては単純です。途中を飛ばしても終盤から読めば、エミールの続きには何の問題もありません。2018/11/14

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