ファミ通文庫<br> “文学少女”と慟哭の巡礼者【パルミエーレ】

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ファミ通文庫
“文学少女”と慟哭の巡礼者【パルミエーレ】

  • 著者名:野村美月【著者】/竹岡美穂【イラスト】
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • KADOKAWA(2014/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784757736856

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内容説明

遠子の受験・卒業を目前にし、寂しい思いにとらわれながらも、ななせと初詣に行ったりして、和やかなお正月を迎える心葉。だが、ななせがケガをし、入院先に見舞いに行った彼は、その心を今も縛り付ける、ひとりの少女と再会する―! 過去に何があったのか。そして今、彼女は何を望んでいるのか…。心葉は、そしてすべての物語を読み解く”文学少女”は、その慟哭の中から「真実の物語」を見つけ出すことができるのか!?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

まりも

112
再読。テーマは「宮沢賢治」心葉と美羽の過去に迫る話。純粋無垢な心葉を愛し、そしてそんな彼を激しく憎む美羽。家族同士の悪口を聞かされ、心が澱んでしまった彼女の切なく、激しい想いはとても強烈で、何よりも心に残りました。こんなに辛い気持ちをずっと胸に抱いていたなんて、考えるだけで胸が張り裂けそうだ。ななせの頑張りや、千愛の問題の深さなど色んなものが見えてきた、文学少女の中でも一二を争うくらいインパクトのあるお話でした。希望の光と、波乱の予感を感じさせるラストもすごく印象的。次巻も読みます。2016/10/24

スズ

98
冒頭は心葉とななせさんとの初詣。心葉の事を意識しまくりで、心葉の事が本当に好きなんだなとニヤニヤさせられた。美羽がついに登場し、心葉は美羽に気持ちの容量が割かれすぎて、ななせさんに対して冷たい態度を取ってしまい、琴吹さんを傷つけたくないと思う反面、美羽に対して優しさという名の依存をしてしまうという心葉の心情が丁寧に描かれていた。胸が痛む展開が続くが、遠子先輩の優しさと包容力が胸に染みわたる感じがした。誰かが見捨てずに側にいてくれるって、本当に幸せだし、それだけの絆を築くことができる人もすごい人間だと思う。

マーム

88
〝文学少女〝シリーズ第5巻。今回のモチーフは『銀河鉄道の夜』。人と人がわかり合うというのは本当に難しい。そばにいて、いつも行動を共にしていても、理解できているとは言い難い。いや、そもそも他人を完全に理解することなどできるのか?あの頃、二人は同じ時間を共有していましたが、同じ想いを共有できていたのでしょうか?。なかなか近付けない理想の自分。自分に無いものを全て持っているように思える他人。憧れ、嫉妬の中から芽生えるめちゃくちゃにしたいという暴力的な感情。傷付き苦しんだ二人にとって今日が新たなスタートライン。2012/03/02

Yobata

87
ななせと距離を縮めた心葉。しかしななせが突然入院したという知らせが来る。見舞いにいったその病院で、ついに片時も忘れたことのなかった幼馴染の朝倉美羽と再会する。昔と変わらず笑顔で接し、心葉に会いたいがために頑張ったという美羽、そしてななせや芥川君の事を信用するなといい、美羽の言うことを信じ、心葉の周囲の絆は崩れ始める。美羽の本当の目的とは?本当の姿とは?ついにきた美羽回。心葉は常に抱えていた闇の部分の美羽との出来事の話。テーマ本は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」。ついにジョバンニとカムパネムラの物語が来たかw→2013/09/04

ちはや@灯れ松明の火

84
本当の幸いを求めて、宇宙の彼方まで一緒に旅をしようと繋ぎあっていた手と手、今は冷たい闇にふれるばかり。もう還らない砕け散った日々、同じ景色を観ながら違う色を見ていたふたり。空に想いを馳せる美しい羽が紛い物だと、隠していた、気づかずにいた。すれ違い入れ替わった道はもう戻れない、吐き出された毒と記憶に潜む欠片が心を裂く。幸いなんて、どこにあるのだろう。見上げれば満天の星、ひとつひとつに浮かぶ物語。一緒に夢を描いた、並んで旅をした、それだけで幸せだった。天に焦がれるようにその背を見ていた。空に、似ていた。 2011/05/29

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