内容説明
この頃「可愛いおばあちゃんになろう」というのがはやっている。だいたいが六十年も七十年も苦労に苦労を重ねて生きてきて、今更なんで若い連中から「可愛いおばあちゃん」といわれるようにならなければならないのか。舌切雀の物語を持ち出すまでもなく、ばあさんというものはイジワルな現実主義者と昔から相場が決まっているのだ。そのばあさんの伝統を、なぜここで破らねばならないのか!
目次
第1章 憤怒のぬかるみ
第2章 何がおかしい
第3章 こんな女もいる
第4章 こんな老い方もある
第5章 上機嫌の本
第6章 死ぬための生き方



