内容説明
「ニャーン」と甘えるように鳴くと、やせ細った猫は別れを告げた。視力を失った左眼から涙がこぼれ、僕を見つめていた右眼から、ゆっくりと光が遠のいていく――。「ぎじゅ太」と「みャ太」。公園で二匹を拾い、二間しかない狭いアパートで毎日を過ごした。まるで夢のように幸せな日々だった。でもあの時間はもう二度と帰っては来ない。あの子たちはきっと猫の神様が一時期だけ僕に預けてくれた子達なんだ。なあ、ぎじゅ、みャ太、お前は俺と出会って幸せだったか――? 出会い、闘病、そして別れ。二匹の猫と、一人の男の、感涙必至の愛と孤独の物語。
目次
第1章 葬送の日
第2章 猫の神様
第3章 発病
第4章 通院
第5章 一進一退
第6章 絶望
第7章 戦い
第8章 最後の日々
第9章 猫の神様、再び
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
4
ちょうど飼い猫を看取ろうとする日々の中で読んだ。今もあの子の手触りとともに、読んだ日々を覚えている。2008/12/18
みい君
2
最後は泣き通しでした。猫ちゃんとのお別れは辛いけれど、沢山のものも残してくれるんだなと少し救われた気がしました。2017/06/28
カエル氏
1
看取るまでの不安や葛藤に共感。何がベストか確信はなくて…最後は自分との闘い。2021/10/16
cazyoboo
1
こんなに泣いた本は後にも先にもこの1冊。2013/07/05
charuko
1
AVライターであり、五十間近の著者が、小さな猫たちの生死に向き合う様子が切ない。2009/04/28