内容説明
フリーライターの仕事で進藤が出会った、破滅を目前にした起業家、人気のピークを過ぎたアイドル歌手、生の実感をなくしたエリート社員……。東京を舞台に「今日」の哀しさから始まる「明日」の光を描く連作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
s-kozy
52
東京ってどんな街ですか?「日本の首都」「豊かで便利な街」「クールジャパンの発信地」「地方出身者の集まり」(「オリンピック開催予定地」)といったところでしょうか。著者曰く「なにかを得ることよりも喪うことのほうに向いている街」(文庫版へのあとがきより)。出張や旅行から帰って来る度に人口やエネルギー消費の過剰さから「東京って異常なところだよな」と感じさせられている身にはしっくりとくる一作でした。途中、中だるみ感があるのは長い期間で書き継いできた連作長編だからなんですかね。2013/11/29
NAO
45
大人の本?おじさんの本だな!帰る家がなくたって、家族と別れたって、まっとうな生活が絶対できないことない・・・生きていけるんだな~結構好きな本。2015/03/25
ぼっちゃん
44
実家に置いていた本を整理していて、気になり持ち帰り再読。フリーライターを主人公とした寂しさとか孤独を描いた連作短編集。寂しさなどを描いたものなので少し暗めだが、性〇説や哀愁的東京のように○○的○○のような言葉で会話したり言葉の面白みがある。特に「ぼう」という漢字を何個か思い浮かべてもらうとそれがその人の今の心情を表しているというのが興味深く、昔私もこの本を読んだ後に何人かの人に聞いてみたことを思い出した。2025/02/01
pdango
42
★★★★☆近頃疲れているのか、物語の空気感が違和感なさすぎた。いつのまにか、題名を『中年的哀愁』と錯覚していた(^^;)2017/03/27
aqua_33
41
読んでる間ずーっと、やるせなさ感と切なさがつきまとっていて、最後の最後に「哀愁的東京」というタイトルがピッタリと思えるほど、物悲しさしか残らない。これは相当テンション高いときじゃないとしんどい本かもです(笑)《2020年17冊目》2020/03/09