内容説明
「羅生門」「鼻」「地獄変」「舞踏会」「藪の中」「将軍」「トロッコ」「河童」――。描かれた時期やスタイルも異なる代表作八編を収載し、作品を読むヒント、背景などを最新の研究レベルを踏まえて解説した入門書。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
目次
大正三年~六年(羅生門 鼻)
大正七年~十年(地獄変 舞踏会)
大正十一年~十三年(薮の中 将軍(抄)
トロッコ)
大正十四年~昭和二年(河童(抄))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
46
芥川の生涯とその背景をコンパクトにまとめているのが良いですね。コラムも興味深かったです。読んでいると、芥川においかぶさってくる時代が重いように思えました。時代に翻弄された作家と言っても良いかもしれません。2023/03/25
優希
43
河童忌なので。芥川のルーツを振り返りたくて読みました。芥川の歴史がコンパクトにまとまっていて、読むためのコラムがあるのが何より良いですね。自分の中の芥川の世界がより広まったような気がします。2024/07/24
ウォシュレット
3
羅生門、鼻、河童などの代表作は収録されていますが、特に印象に残ったのは地獄変です。中学生の時に初めて読み、芸術の為なら、いかなる犠牲やモラルを厭わない、良秀の生きざまに鳥肌が立ったのを覚えています。改めて再読して一つ気になったのは、良秀が縊死した原因です。良秀は娘の死に囚われて死を選んだのか、それとも自分の死も芸術の犠牲の一つなのか。明確な答えはまだつかめません。ただ他の文献の解説にあった、娘との近親相姦関係説も中々魅力的だと思いました。2013/03/04
dj_amatsume
2
芥川龍之介の生涯順に、代表的な作品とコラムがまとめられている。色々な読み方ができるようなテキストにその最大の特徴があるように感じた。羅生門は、その最後のテキストが修正され現代の形になった。修正前では全く異なった趣となっており、1フレーズが作品に与える重みに感服する。河童は、反出生主義などあからさまな風刺対象が多面的に書かれる。 多義性を含む文学は、世界のあらゆるものごとを考えるきっかけを与える。主体性を持ち文学が意図するところを考えることは深い思索へと誘う重要な観点であり、他の評論等にはできない芸当だ。2023/04/28
栗山いなり
2
芥川龍之介って案外時代に翻弄された人だったのかもな。酷評や時代の激動、晩年の望まない絶賛が敏感すぎる芥川龍之介には重すぎたんじゃないかと思う(あんな事決断するくらいには)2018/07/22
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