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内容説明
弟の和馬をも使い、漫研内の人間関係を裏で操作し続ける杏。一方、井之上は、杏への高まる気持ちと、形だけの交際を続ける平松との板挟みでジレンマに陥っていた。そんなある日、部長という立場でありながら漫研の活動に身が入っていない自らを反省し、本来の自分を取り戻そうと決意した井之上の前に…？漫画に愛されなかったから、人に愛されたかったから──心乱れバラバラになった門倉高校漫画研究会。全てのきっかけとなった、青木杏の真意とは？衝撃の最終巻！！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yuuuming
12
げんしけん暗い版と聞いてたけど、うーん、似て非なる世界観。げんしけんのみんなも見ててイタイなあって思うことあるけど、ここに出てくる彼らはイタイを通り越してるよね。げんしけんメンバーはなんだかんだ言って大学生だし身の丈を知ってるというか、自己評価と他己評価のずれが少ない。この本の登場人物はそのずれがあまりに大きすぎて中学高校生ってこんなんだっけ？？！！と戸惑ってしまいました。終盤、みんな明日へ向かって歩き出してる…ように見えて、完全に自分だけの世界にイッちゃった人たち数名のギャップがものすごくて衝撃でした。2015/06/08
ビスケ
6
『げんしけん』が楽園だとしたら、こっちは地獄。オタサークラッシャーの姫が、オタクの悪いところを煮詰めたような人たちに現実を気付かせる物語。全方位ナイフすぎて痛々しいけど、読まずにはいられない。マンガに限らず、何かを創るということはどういうことなのか、真正面から突きつけられる作品だった。2015/07/05
FUU
6
サークラ漫画と言われて手に取ったが案外クラッシュさせてよかったんでは？スクラップ・アンド・ビルド的な。。でも大人の事情なんでしょうが折角丁寧に(ねちっこく)書いてきたのに最後やっつけっぽい所もあって、ううむ勿体ない。スクラップされてビルドしていく人達と、スクラップされたままの人達の明暗がすごい。物語的展開だとお前らスクラップされとけ！な人達が未来に向かって勝手にビルドされてく不条理...オタサー姫夕子は何も変わっちゃいないが彼女は多分たくましく生きていける。有栖川には頑張ってほしいっす彼女が希望に見える2015/06/05
shikada
4
読後は、暗澹。漫研のオタク高校生たちが同人誌を作る話。彼らの自尊心は人一倍強くて、そのくせ自尊心に見合う実力は持っておらず、空疎な自己防衛に明け暮れる。美人で愛想の良い、しかし悪意を持った女子高生ひとりに、漫研のコミュニティはいとも簡単に崩壊させられる。彼女に誘導され、言い訳の出来ない状態に追い詰められたオタクたちはひどく哀れで惨めだ。2018/03/25
訃報
4
井之上が罰を受けないのは納得いかないなあ。平松や批評家の奴はほっといてもいずれ排斥されるだろうけど、井之上はクソ野郎のくせに善人面で許されるからたち悪い。桂坂と瞬はとても良い。イケメン兄弟の話もっと読みたかったなあ。そしてやはり俺たちの青木さんは最高だぜ。2014/12/06
