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内容説明
高校の同級生柴純一の自殺の瞬間を見て以来、浅川聡美の回りでは不思議な事が起るようになってきた。本当に柴の霊が聡美に乗り移ったのか? それとも誰かの陰謀なのか? ついにはマスコミも聡美の事を霊感少女の出現だと騒ぎ出して…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すがし
3
双葉文庫版全2巻読了。オウム事件に触発されて……と思ったら、3年も前にこうも狂信を深く捉えたマンガが描かれていたことに驚愕。夫子曰く「宗教マンガのベスト2」。奇跡によって神意を信じ、信じたが故にその「正しさ」を確信し狂信へと突き進んでいくものたちの描写の戦慄するまでのリアリティに圧倒される。それが社会の中で明確な立場を得ていない子供や青年、疎外された人物であることにもいたたまれなくなるほどの迫真性を感じる。恐るべき傑作。2012/11/30
ととろ
0
偶然にもオウム真理教事件の3年前に発刊された新興宗教を描いた作品。環境問題の解決を訴える為に若者たちが一致団結する様子は、戦後の社会主義者たちによる学生運動にも似ている。「正義」を確信した人間は善悪の基準が明確になり、「悪」と看做したものには容赦がない。彼らの意見も理想論ではあるが、正論には違いないから質が悪いのだ。2010/09/12