内容説明
密室で決定されたオリンピック代表選考に納得のいかない要一は、せっかくの内定を蹴って、正々堂々と知季と飛沫に戦いを挑む。親友が一番のライバル。複雑な思いを胸に抱き、ついに迎える最終選考。鮮やかな個性がぶつかりあう中、思いもかけない事件が発生する。デッドヒートが繰り広げられる決戦の行方は?! 友情、信頼、そして勇気。大切なものがすべてつまった青春文学の金字塔、ここに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
600
スポ根小説を装いつつ、下巻の前半は日本水泳連盟やメダル至上主義、あるいはそれに纏わるオリンピックの選手選考や企業の思惑など、さまざまな「大人の事情」が語られる。目指している選手たちにとっては必ずしもそうではないが、オリンピックは綺麗ごとばかりではないのだ。さて、後半はいよいよシドニーオリンピックの最終選考会。要一のアクシデントなどもあって、息詰まる展開。とりわけ最後の三者三様のFINAL STAGEは圧巻。さらにはTAKE OFFの収め方も実に爽やか。たまにはスポ根ものも悪くないという気にさせられる。2020/10/11
扉のこちら側
226
2018年232冊め。一緒に練習をしていても、頭ひとつ飛びぬけていける子とそうはいかない子。五輪出場枠を競うような子だけではなく、彼らのそばにいるクラブの少年たちの葛藤もある。代表枠に対する三人の戦いはどう決着がつくかとハラハラしたが、希望の残る結末でよかった。2018/06/29
takaC
173
不可能なんて思うなよ。可能性は誰にでもある。Yes, we can.2015/09/08
kishikan
173
やっぱりスポーツっていいなぁ!飛び込みという地味なスポーツをこんなに爽やかに、そして熱く語れるなんて、やっぱり森絵都さんだな。といっても、これまで読んだ森さんの話は、青春ものというよりは児童文学やファンタジックな中に心を打つようなものが多かったのですが、今回は違っていました。でも、思春期の多感な頃の友情、愛、正義感、孤独、挫折、勇気など様々な感情を個性ある登場人物に織り交ぜ、たった1.4秒の飛び込みの時間に賭ける若者の純粋さと熱情を上手く表現していたなぁ。良かった!2012/02/03
射手座の天使あきちゃん
160
高飛び込みのオリクピック代表を目指す少年達 マイナーなスポーツなのでルールなど知りませんでしたが、面白くてイッキ読み しかも読後に笑顔と感動が、ウン v(^-^)