内容説明
高さ10メートルの飛込み台から時速60キロでダイブして、わずか1.4秒の空中演技の正確さと美しさを競う飛込み競技。その一瞬に魅了された少年たちの通う弱小ダイビングクラブ存続の条件は、なんとオリンピック出場だった! 女コーチのやり方に戸惑い反発しながらも、今、平凡な少年たちのすべてをかけた、青春の熱い戦いが始まる――。大人たちのおしつけを越えて、自分らしくあるために、飛べ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
585
正真正銘、まさに正統派の「スポ根」小説。高さ10mから飛んで、着水までの1.4秒での技を競う高飛び込み。この競技が選ばれたのは、競技人口が極端に少ないことと、他の種目以上に天性の資質に負うところが多いからだろう。自らの秘めたる天性に気づかない茫洋とした主人公の知季。ライバルは純粋培養の天才、要一と津軽からやってきた野生児のような飛沫。さらには、アメリカ帰りの美貌の女性コーチと、これまたいかにもな人物配置である。恋も、勉強も、その他の楽しいことも全て捨てて、ただただ飛び込みにかける青春を描く。2020/10/10
扉のこちら側
209
2018年231冊め。中高生が主人公というので部活ものかと思いきや、目指すは五輪という高みであったので驚いた。複数人の少年にスポットを当てることで、努力型の秀才、眠れる潜在系天然型、野生の天才のそれぞれの個性がより楽しめる。下巻へ。2018/06/29
kishikan
165
「少年はその一瞬を待っていた」この書き出しにしびれてしまいます。しをんさんの小説でもゴールシーンの「風が強く吹いています」のアナウンサーの絶叫が印象的ですが、森絵都さんは「飛び込み」というスポーツで、選手が空中に飛び出すその緊張の時を鮮やかに描き出します。もうこの一言で、この小説にはまってしまいますね。森さんにしては珍しい青春スポーツもの。それもダイビングというマイナーなスポーツを、メジャースポーツ以上に読者を興奮させるストーリ展開。そんな若者の熱い思いにページをめくる手が止まりません。さあ下巻が楽しみ!2012/02/01
射手座の天使あきちゃん
146
高飛び込みのオリクピック代表を目指す少年達 マイナーなスポーツなのでルールなど知りませんでしたが、面白くてイッキ読み しかも読後に笑顔と感動が、ウン v(^-^)
ALATA
140
初読み作家さん。久々に悩める中学生に出会う。高さ10メートルのプラットフォームから時速60キロで降下する知季。厳しい練習環境、友達との確執、ライバルの出現そして泡沫の如く消えた恋、プールの奥深い底から浮かび上がるにためにもがき続ける。「いっぱい後悔して強くなれ」すべてを犠牲にして生きる力は果てしなく愛おしい★5※前宙返り三回半抱え型、ダイヤモンドの瞳が未来を見据える。飛び込みへの情熱、世界への夢、キラキラした暑い青春物語、いいですね!次巻へ2024/04/15
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