内容説明
ペリーに抱きついたマジメ学者、アメリカ女性にもてた少年通訳、先祖の悪名が気になる大名、殺しを愛した勤王家、机上作戦では必勝の指揮官、銃弾に散った旗本、クリカラモンモンの歩兵差図役……など三十八人。歴史変動は万人が避けられぬ巨大災害だ。切羽詰まった現場のナリフリ構わぬ姿にこそ人の器が出る。いかに土壇場を切り抜けたか、あるいは切り抜け損なったか。目が離せない幕末ドタバタ人物誌。
目次
第1章 急転(ことわられた密航―吉田松陰;ペリーに抱きついた男―松崎純倹;能ある鷹は爪を剥がす―岩瀬忠震 ほか)
第2章 狂乱(殺しのライセンス―岡田以蔵;昔はテロを辞さず―伊藤博文;幕末の二重スパイ―大庭恭平 ほか)
第3章 残影(クーデター大好き―岩倉具視;江戸城に放火せよ―伊牟田尚平;軍師の末裔―竹中重固 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
26
知らない人の話もあり興味深く読みました。中山忠光、田沼意尊、大鳥圭介が面白かったです。2024/01/30
佐島楓
22
吉田松陰から始まり、ほぼ無名の人物まで、幕末を駆け抜けたさまざまな人物のエピソード集。とても面白かった。アメリカ使節団の中に米国でアイドル扱いをされたほどの美少年がいたり、皇女和宮が砂糖の摂りすぎで虫歯に悩んでいたりと時代が一気に身近なものになること間違いなし。大変な時代だったと思うが、それだけに飛びぬけた才能を持った人物も多かったのだな、と改めて感じ入った。2013/07/23
犬養三千代
9
個性豊かな人々。余り知られていないというより、私が不明なだけ。「弓矢とる身にこそ知らめ時有りて散るを盛りの山桜花」西行の本歌取り?67歳の野矢常方。会津の老人組の人。白虎隊、朱雀隊、青龍隊、玄武隊だけじゃないんだ。年少組。維新は革命、幾多の血が流れて今が有る。2021/03/31
おらひらお
4
2006年初版。『週刊新潮』に連載されたものをまとめたものです。連載なので個々の人物は数ページのまとめられていて、やや軽い印象を受けますがとっつきやすい内容に仕上がっています。2012/05/04
トントンみん
3
古本で購入。付箋がわりに使用していたのか東京都美術館の入場券と映画の整理券、綺麗にシワを伸ばしたチョコレートの包み紙が挟まってた。本よりも前に読んでいた人が気になる。2018/07/20