吸血鬼

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吸血鬼

  • 著者名:江戸川乱歩【著】
  • 価格 ¥330(本体¥300)
  • 東京創元社(2011/10発売)
  • ポイント 3pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488401061

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内容説明

時は初秋、所は塩原温泉の某旅館、そこでは今、前代未聞の決闘が行なわれようとしていた。夏の末から居つづけている湯治客の男二人が、一人の未亡人を巡って命を賭けた闘いを繰り広げていたのだ。そして、決闘の場から卑劣にも逃げだした敗者のものと思われる無惨な死体が発見されるに及び、恐ろしい闘いの幕が切って落とされた。帰京して以来、畑柳未亡人とその愛する息子の上に降り懸かる陰惨で奇怪な事件の連続! 姿無き吸血鬼に敢然と立ち向かう名探偵明智小五郎と文代、小林少年の行く手に待ちかまえているものは? 大乱歩渾身の長編推理。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aquamarine

84
温泉宿で女性巡って毒杯での決闘をする二人の男を描くプロローグに始まり、ストーリーは妖艶なその女性の周りに起きる様々な事件を経て進みます。乱歩らしい雰囲気を堪能しました。一連の犯人はミステリを読みなれているとわかってしまいますが、誘拐、密室、死体消失等次々と解き明かす明智探偵の魅力はバッチリです。ラストの事件は思わず、これはあれだわ!というトリックで思わずニヤリ。またこれが小林少年初登場作品だそうで、この後少年探偵団に繋がっていくのかと思うと感慨深いものがあります。2017/10/15

セウテス

68
〔再読〕美貌の財産家の女性を巡って連続殺人事件が起こり、名探偵明智小五郎と小林少年が活躍します。犯人や遺体消失の謎、女性を付け狙う犯人は誰なのかは、予測する事が可能です。ですが、犯人の動機を初め突然明智探偵より明かされる事も多く、やはりここは明智小五郎探偵活劇を楽しみます、が正解でしょう。この創元文庫シリーズは、当時の挿絵がそのまま載っていますので、雰囲気も掴みやすいです。乱歩先生らしいプロローグは、緊張感に溢れ読者を一気に物語に取り込んで仕舞います。これぞエンターテイメント、難しく考えず楽しみましょう。2015/10/19

Ryuko

33
生きながらの埋葬、追い詰められた犯人が不可解に消え去る、など乱歩作品ではおなじみのあれこれが登場。明智小五郎はもちろん小林少年、文代さんも大活躍で楽しめる作品。さらにラストは、切ない思いもさせてくれる、サービス満点の娯楽作品。犯人自体は、早めに予想はつくが、その動機は予想外でとても悲しいものだった。2019/08/31

coco夏ko10角

30
めっさ怪しいから犯人はすぐわかるけど、真相では予想外のこともいくつか。花氷のくだりすごいなぁ。事件解決…か?の後もよかった。小林少年初登場話だったのか。あと文代さんとのこと気になるから『魔術師』読もう。2017/03/19

冬見

23
乱歩の小説は本当に読み易い。冒険活劇的な要素が物語全体を覆いながらも基本は探偵小説。明智が出てくるとトントン拍子に、あってないような伏線を回収しながら華麗に進んでゆくので、なんだかズルいなあと思いつつ、でも面白いからいいかあと、ハラハラしながら読み進めてしまう。恐るべき執念でいたぶり、貪り尽くす。「吸血鬼」とはそういうことか。果たして本当に「吸血鬼」と言えるのは誰だったのだらう。2017/12/21

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