火の山 山猿記(上)

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火の山 山猿記(上)

  • 著者名:津島佑子【著】
  • 価格 ¥942(本体¥857)
  • 講談社(2014/02発売)
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  • ISBN:9784062752961

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内容説明

火の山――とは富士山のこと。その富士山に寄り添いながら生きた有森家の変遷史。誕生と死、愛と結婚の型。戦中戦後を生きた人たちを描きながら、日本の近代を見つめ直した傑作長編小説。第51回野間文芸賞、第34回谷崎潤一郎賞受賞作。平成18年4月から放送のNHK連続テレビ小説『純情きらり』の原案。(講談社文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaC

47
なるほど。「純情きらり」の"原作"ではなく"原案"というのはそういうことか。納得。下巻に入ります。ゆっくりと。2013/06/29

翔亀

42
昭和のひとつの家族の歴史が、なぜこれほど立体感溢れ"まるごと"描かれているという充実した読後感をもたららすのか。忍び寄る軍国主義など歴史感覚に優れている点、書き手(勇太郎)の自分史(手記)に姉や姪や孫のメモとか過去の日記が加わる複数の一人称の語りという複眼的な手法(神の視点ではない)の点が挙げられようが、それに加えて書き手の父親が地質学者で書き手が物理学者というのも効果的で、さらに甲府という舞台が印象深い。戦中に家族は東京などに離散するが根拠地としての甲府がある。その甲府とは富士山の麓にあると同時に↓2016/07/28

James Hayashi

28
連続テレビ小説「純情きらり」の原案、野間文芸賞、谷崎潤一郎賞受賞作品。前半は手紙が主体で面白みがなく、上巻でギブアップかと思われたが、後半から杉冬吾(太宰治がモデル)が出てきてようやく面白みが出てきた。甲府が舞台で知っている山や風景が出てきて郷愁が湧く。下巻へ。http://www.yomiuri.co.jp/stream/?id=07329 読売新聞に関連記事と動画2018/08/24

yumiha

26
『百年の孤独』のような有森一族の物語。繰り返し小太郎という名を子孫につけるところも、似ているなあ。自然を畏れ敬う暮らしだからこそ、『遠野物語』的な民話・伝説が生まれてくるのだろう。一番印象に残ったのは、祖父が「誰にも言うな」と勇太郎に野生馬を見せてくれた場面。他にも、自然保護が日本とアメリカとは微妙に違うところ。ワガママを見せながらもけなげな桜子姉。太宰治がモデルと思われる杉冬吾の振る舞いなどなど、とても興味深く読めた。勇太郎の出征が近づくにつれて、窮乏と息苦しさが満ち満ちてくる社会は、今後の予見か?2016/10/20

sabosashi

16
ニホンの近代文学なるものは地縁的集団ないし共同体からの逃走、逃亡を描いたものが主流であり、したがって個人の物語になる。海外ではそれと同時に、家族の、一族の、集団の歴史を綴っていくことも続けられた。そのようなコンテキストにおいて例外的なニホンの(長い)物語としては『夜明け前』または『楡家の人びと』などがあげられる。この『火の山ー山猿記』もそんな流れのなかで捉えることができそうだ。若い頃の津島と比べるとスケールがまったく異なっていて、読み出して驚いたものだが。2023/07/06

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