集英社文庫 私の遠藤くん

著者名：吉村達也【著】

集英社（2014/04発売）

• ISBN：9784087478716

内容説明

遠藤由美香は10歳年下の若い夫・彰男を「私の遠藤くん」と呼んで溺愛していた。だが、彰男の行動に対する猜疑心は強烈で、郵便物や携帯の無断検閲は当たり前。彰男あてのクラス会の案内には、勝手に欠席の返事を出す始末。妻の異常な干渉を愛情の裏返しと容認していた彰男も猛反発。中学校の同級生との集まりに強引に出席するが、夫の浮気妄想に取りつかれた由美香は、その会場に乗り込んできた！　ホラーサスペンス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ミカママ]

私の遠藤くん、可愛い夫は10歳年下。毎朝、1分間の熱いチュー💋で仕事に送り出し、お風呂に入れば全身をくまなくシャンプーしてあげる。彼のメールもスマホも、全部私がチェックしてあげる。彼に近づく女がいれば、痛めつけることも厭わない…。まぁね、可愛いよね年下男子は（笑）テンポがいい、会話がいい。作家さんがテレビ出身の方と知り、納得の構成。ちゃんとミステリーにも、ときにはホラーにさえなっていて、楽しい読書体験だった。

2021/06/24

[ゆのん]

10歳年下の夫を『私の遠藤くん』と呼び愛し倒す妻。帰宅後の浮気チェック、郵便物や携帯のチェックなどなど。同窓会に出席した夫が浮気をしているかもと疑い乗り込む。ジャンルとしてはホラーサスペンスとあるが、あまりに常軌を逸した暴走ぶりに笑ってしまう。愛するあまり猜疑心が強くなる事よりも、他人の幸福を妬んで不幸に陥れる行動をとる精神状態の方が恐ろしいと感じた。外で見せる顔と家での顔は皆多少は違うもの。他人を羨むのもほどほどにしないと。全然ホラー色は感じず、むしろコメディではないかというオチも良かった。364

2019/11/28

[ジンベエ親分]

いつもの吉村節(笑)　B級感溢れるホラーサスペンスだけど、面白いことには文句のつけようがない。エキセントリック過ぎる由美香の言動は第一章から飛ばしまくり、もうこれだけで十分ホラー。そこに彰男の中学時代の同級生の麻理、僅か２ヵ月でいなくなった美少女の杏子の存在が絡んだり絡まなかったりするわけだが、そのあたりの伏線の張り方は手堅くて安心して読める。そこに由美香の過去も絡み、クマイマックスで明かされる真相は、飲んでいたコーヒーを吹いたほど驚愕した(笑)　これぞホラー(爆笑)　いつもの吉村節、満足した(笑)

2017/07/15

[coco夏ko10角]

遠藤くん！遠藤くん！！私の！遠藤くん！！！十歳年下の遠藤くんと結婚した由美香が1章からこわい～。由美香の言動もちょっとしたホラーだけど、遠藤くんにたまにメールを送ってきていた犯人やその想いもホラー。ラストは好き。

2019/09/05

[備忘録]

ジャンルとしてはサスペンスホラーになるのか 最初のうちこそ、そんなことしないだろと思いながら読みすすめていけるが、度重なる不幸な展開が続いていき自体はどんどん悪化していく ページ数少ないのもあるけど、相変わらず読みやすい文章で一気にラストまで読める 面白かった

2025/05/08