出版社内容情報
江戸の思想家たちが到達した場所、それは人類未踏の頂だった。世界史的構図のなかに日本文明の清らかな輝きを甦らせる圧倒的大業。地球上で歴史意識を有するのは地中海域、志那大陸、日本列島の三つで、西洋古典文献学、清朝考証学、江戸の儒学・国学は、古代を近代に取り戻す言語文化ルネサンスで、古い神の廃絶と新しい神の創造を目指す精神運動だった。
西尾幹二[ニシオカンジ]
評論家。電気通信大学名誉教授。1935年東京生まれ。東京大学文学部独文科卒業。同大学院文学修士。文学博士。ドイツ文学者。ニーチェ、ショーペンハウアーの研究、翻訳をはじめ、文学、教育、社会、政治、国際問題等幅広く評論活動を行っている。最近では反原発を明確に打ち出し、人類の生命維持から訴えかける論点が注目されている。
目次
第1部 前提編
第2部 展開編
追補1 世界のさきがけとなった江戸期の文献学
追補2 自然と歴史―西洋哲学から『江戸のダイナミズム』を読む
追補3 長谷川三千子・西尾幹二対談 荻生徂徠と本居宣長
追補4 友人からのある質問に対する著者の応答