内容説明
わたしは流しの風俗嬢――。でも、このお仕事、超個人主義、超能力主義、超体力勝負。そして「いい女」でなければ客はつかない。はじめてのお客さんから酔っぱらい、学生、外国人まで、さまざまな人間が通り過ぎてゆく。池袋、歌舞伎町、吉原とさまよいながら「真剣勝負」は続くのだ! 風俗という“素敵なお仕事”をめぐる物語。
目次
恋は肉色(わたしは流しの風俗嬢 下半身データ 上に乗るのは百年早い 店外デート ほか)
風俗漂流日記(醜い娘 生セックスについて 奇妙な恍惚感 弾けない動物 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しあん
23
風俗嬢兼ライターの彼女が、仕事について綴ったもの。非常に知的な印象で、それでいてどこか歪んだものも感じました。ひどく事務的に仕事のことを語っていたのがとても面白かったです。2019/06/14
koguma
16
引き続き、菜摘ひかるを読む。いくらこういう仕事が好きで、誇りを持ってやっているのではあろうけれど、やっぱりそこは人って、時々我に返って何もかも嫌になってしまったりするんだろうなと思う。なんかそういう気持ちの浮き沈みみたいなものが文章から漂ってきて、こっちまで胸が詰まりそうだった。セックスはお金をもらってするもの....かぁ。2018/03/30
のれん
14
現役風俗嬢時代のブログ投稿と引退後の作家業としての原稿を合わせたエッセイ集。 『痴人の愛』では女は男の愚かさを嗤い、男は嗤う女を見たいがために道化を演じる、とあるが、まさに騙し欺しの享楽ゲームに彼女は冷めた目線でどっぷり浸かっている。 風俗狂いへのレクチャーと愚痴を言いながら、買う女として見ず、人として扱う男にコロッと参ってしまう。 即物的で果てしなく刹那的でありながら、肉欲はなく、仕事人としてのプライドがある。 スレているとか疲れていると著者は自嘲するものの、間違いなく感受性が高いのだと思う。(続く)2021/05/06
名前ちゃん
3
男社会に対しての思いやセックスワークへの考え方は共感できたところが多かったが共感できる部分ばかりではなかった 菜摘さんが生きてることとか生きてたことがすごく伝わってきた リアリティがある2016/06/12
ままみ
3
調子の良くない時に読むと気分が悪くなる。まさに本人の言う「排泄物」の集大成なのだろう。若い頃にしか出来ない職を、若い頃にしか出来ない考え方で、若さ特有の自己肯定感で紛らわす承認欲求。この人は自分の事をちっともわかっていなさそうで、つい苛々してしまう。職業そのもので不幸だと思ったりしないけど、幸せと思い込む事こそが幸せなのは理解できる。大人になったこの人の文章を読んでみたかった。2015/03/21