内容説明
千八百四十八年二月、大好評を博したショパン六年ぶりの演奏会の一週間後、フランス二月革命が勃発する。民衆の怒濤の奔流は、首相の解任、王の退位を実現し、共和国を生み出した。貴族達の惑乱と不安、活気づく民衆。ショパンは英国に移るが、過酷な演奏旅行を強いられ、体調は悪化する。一方ドラクロワは、ある画家の評伝の執筆にとりかかる。時代の巨大なうねりを描く第二部前編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
301
圧巻はいきなり冒頭から現れる。プレイエル社のサロンでのショパンの演奏会の描写である。100ページにわたって展開されるそれは、ショパンのピアニズムの精髄を文章によって再現しようとの平野の挑戦であった。ショパンが「舟歌」の最後を楽譜通りにフォルテではなく、ピアニッシモで弾いたとのエピソードは、はたして史実通りであったのか、はたまた平野の小説的創作であったのか。また、この巻では、ショパンとドラクロワの二人が、ジャンルも芸術家としてのタイプも異にしながら、共に彼らの命を削って創作していたとの壮絶な記述が目を引く。2016/07/19
たま
85
『葬送』第二部は文庫で読むことに。第二部上巻は1848年初頭のコンサートに始り、華やかな(ショパンは息絶え絶え)の描写が104頁続く。その1週間後に二月革命。少し体調回復し外出したショパンはばったりサンドと会ってしまう。その後荒廃したパリをあとにスターリング嬢とイギリスへ行き善意の彼女に引っ張りまわされる。一方ドラクロワは二月革命以後の政局を乗り切らねばならないが、『ライシテ』展でこの時代を勉強したので、それが面白い。綴れ織りのような小説だが、ドラクロワとヴィヨ夫人との会話が興趣が深く引き込まれた。2026/02/24
のぶ
64
第二部は冒頭から約100ページに及ぶショパンのコンサートの場面から始まる。活字からピアノの響きが聴こえてくるようなあでやかな文章。今までショパンを物語の前面に出さなかったのは、作者の計算だったのだろう。音楽に酔わされて先に進む。やがてドラクロワが中心の話に移り「民衆を導く自由の女神」他、絵画を通して語られる芸術論も深い。やがて社会が動き出し勃発するフランス革命。ショパンは弱る体で旅を続け演奏会を開く。最後近くで演奏されるソナタ「葬送」が先の予感を感じさせた。最終巻に入ります。2016/06/16
優希
48
二月革命が勃発したことで、天才は孤独へと結びつくのですね。時代は大きく動き始め、ショパンの運命も動き始めたと言えるでしょう。2022/12/14
かみぶくろ
46
3.8/5.0 冒頭からショパンの演奏会の華やかで美しい描写に圧倒される。音楽を言葉でここまで表現できるのかと驚き。ドラクロワの語る天才論とそれゆえの孤独も印象的でしたね。作者も同じような想いを抱いてるんですかね。二月革命を巡る登場人物たちの人間らしい反応もなんだか現実味があって面白かったですね。終盤にいくにつれてどんどん病み衰えていくショパンが不憫・・。2024/09/06
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