内容説明
鎌倉幕府に対し単独で兵を挙げた楠木正成は、一千の兵で千早城に籠り、数万の軍からの攻めを半年以上も凌いできた。この楠木軍の奮闘が、反幕府の精神的な支えとなり、隠岐に配流されていた後醍醐天皇は、島からの脱出を決意する。厳重に警護されている天皇を連れ出し、小さな舟で激しい海流の中を進む、無謀ともいえる脱島計画は成功するのか!?血の匂い立つ激動の時代を描いた、歴史大河小説。
感想・レビュー
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アンゴ
2
1333(元弘3)年 後醍醐帝隠岐脱出、船上山に旗揚げ。足利高氏も求めに従い北条鎌倉に反旗。六波羅滅亡し、楠木正成勝利。新田義貞鎌倉攻めまで。2014/03/23
ちゃま坊
1
後醍醐天皇の流刑地隠岐島からの脱出劇から始まり、楠木正成の第2ラウンド千早城の攻防戦。鎌倉軍足利尊氏の反逆で京都六波羅探題の滅亡。さらに新田義貞の反逆で、鎌倉幕府に攻撃軍が迫る。★★★2015/06/14
茅渟釣迷人
1
古本購入-売却2011/02/01
うたまる
1
「その縁ももはやこれまでとはおぼし召されぬか。拙者、治部大輔殿のご決心次第。新しい世をお開きなされ。拙者、後より従いてまいる」(佐々木道誉)……後醍醐の隠岐脱出から千早城攻防戦、六波羅壊滅まで。本巻では反北条の流れが武士勢力の中でも加速していく様が描かれている。特に新田家の場合は、分家増による本家求心力の低下や「穀倉地帯・人口稠密・富裕層の多さ」という特徴が苛斂な徴税ターゲットになったなど、不遇さには同情を禁じえない。その他、表紙デザインは相変わらず良いが、菊夜叉の全知全能ぶりには付いていけない。2014/05/22