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内容説明
阪神・淡路大震災で、妹を亡くした少女の10年を描いたノンフィクション絵本。加藤いつかさんは、阪神・淡路大震災で妹・はるかちゃんを亡くした。体育館での避難生活、次第に生きる意欲を失い壊れかけそうになる家族、厳しい体験が続く。その一方、ボランティアの温かさにも触れた。震災のあった年の夏に、はるかちゃんの亡くなった場所から、大輪のひまわりが咲いた。近所の人が「はるかちゃんのひまわり」と呼んだことから、毎年そのひまわりの種を蒔く活動が広がり、いつのまにか震災自体のイメージの花として、ひまわりが注目されるようになる。当初いつかさんは、辛すぎてひまわりを見ることすらできなかった。しかし、何年も何年も妹の名が付いたひまわりを蒔き続ける活動が続く中、自分もできることから始めようという気持ちが芽生え始める。現在は、震災の語り部として、講演活動にも携わってる。NHKで放映されて感動をよんだ実話の絵本化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
38
阪神大震災から26年の今年。冒頭の碑文に胸が詰まる。「…たった一秒先が予知できない人間の限界…」あの日を綴った本を少しでも伝えていくことが今の私にできること。2021/01/17
魚京童!
19
では、どうするか。それが大事だと思う。倒れたものではなく、起き上がれなくなったものがなんとかだって孔子も言ってる。そういうことなのだろう。2022/03/15
ツキノ
16
【阪神淡路大震災】2005年1月発行。実話。神戸に咲いたひまわり。1995年1月17日、亡くなったはるかちゃん。家のあとから芽が出て咲いた。そのタネをみんなで撒く。姉のいつかちゃんが語りべとして地震のこと、いのちのこと、妹のことを話す。巻末に「阪神・淡路大震災について」「はるかのひまわりをめぐる活動」についての解説、作者指田和子さんによるあとがきあり。見返し前後の書き文字は堀内正美さん(神戸市在住の俳優)。【150】2023/08/22
gtn
14
悲哀を味わった者こそ人の気持ちが分かるし、人に尽くすことができる。また、誰よりも幸福になる権利がある。残された者が幸せになることが、亡くなった者への最大の供養となる。2020/01/31
みさどん
11
3.11の前の阪神淡路大震災の絵本。家族を亡くした喪失感と再生の物語。突然いなくなった妹はるかの、シンボルのようなひまわりの花を、姉は辛くて見ることができない。そんな気持ちの方が勝ってしまうというのも納得できる。いつまでもそのままでいることはできない、乗り越えなければいけない。けれど、その時は本人しかわからないのだろう。日常が普通に送れることの幸せに感謝して。2015/09/01