内容説明
「私を成仏させてください」浪人中の榊原久馬の家にいる美しい幽霊・小夜は辻斬りの五人目の犠牲者だった。自分の仇を討ってくれと家に現れた彼女は、久馬の母とも意気投合し、彼の身の回りの世話もするようになる。だが、小夜は怨みを捨てず、仇を討たねば、榊原一族を呪い殺すという。(「影女房」より)剣に生き、剣に魅せられた下級武士の悲哀を描いた著者、新境地の傑作時代怪異譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
S 2
6
菊池先生の時代ものを初めて読んだ気がします。ちょっと長めの耳袋っぽくもあるような気が。基本的には剣とそれに携わる人々のちょっと怖くて不気味なお話。『茂助』が個人的には妙に記憶に残ります。2018/08/22
あここ
3
9つの幽霊話短編でした。怖くはなかった。あぁこんなことも起こるかもなぁ。。。って納得してまう感じ。茂助さんの話はちょっと何?ってゾワっとしたけど。初めの『影女房』が好きやった。偏屈すぎて動じひん久馬さんが面白かった。小夜さんと話してる時は普通っぽいけど・・・相手が幽霊さんだと偏屈も通じひんのかなぁ(笑)知らず知らずに情が移ってく感じが好きでした。でもこんな殺し合いに巻き込むなぁぁ。十三郎さん、出てくるとこ違わない?ってか関係ないんやけど巻き込むなって。身勝手な世津が嫌い。女でも考えてるコトよう分からん・・2011/05/11
権三郎
1
時代ホラー短編集。ユーモアただようものから陰惨な話までバラエティーに富み、面白い本でした。どの短編も面白かったけど一番怖かったのは、一切具体的な恐怖描写がなく、登場人物がただ俯いている「茂助に関わる談合」でした。2017/01/08
なおり
0
短編集。期待薄で読んだものの、意外とこの世界観は好きだった。女はしたたかなものですね。2013/08/08
dart
0
4.52009/01/12