文春文庫<br> 関東大震災

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文春文庫
関東大震災

  • 著者名:吉村昭
  • 価格 ¥730(本体¥664)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
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  • ISBN:9784167169411
  • NDC分類:916

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内容説明

大正12年9月1日午前11時58分、大激震が関東地方を襲った。直後に大規模火災が発生、首都圏一帯は一瞬にして地獄となった。絶叫し、逃げまどう人々──飛び交う流言が、自警団による陰惨な朝鮮人虐殺という悲劇をも引き起こす。本書は、地震予知を巡る抗争にはじまり、被害状況、死体処理、被災者のバラック街の様子から糞尿の処理にいたるまで、未曾有の大震災の真実を掘り起こす。20万の命を奪った“天災”と“人災”を浮き彫りにする、菊地寛賞受賞の名作。

目次

「大地震は六十年ごとに起る」(群発地震;今村説vs大森説)
地震発生―二十万の死者(大正十二年九月一日;激震地の災害 ほか)
第二の悲劇―人心の錯乱(“大津波”“富士山爆発”流言の拡大;朝鮮人来襲説 ほか)
復興へ(死体処理;バラック街 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

366
大正12(1923)年9月1日、未曾有の大災害が関東地方を襲った。関東大震災である。本書はその前後を含めてのドキュメンタリーであり、検証である。吉村昭は可能な限り客観的であろうとしているが、もちろん全ての記録がそうであるように、これはあくまでも吉村昭のフィルターを通して見た災害の記録である。300,924戸が全焼、半焼が239戸、死者・不明者は68,660名、重軽傷者26,268名に達した。まさに空前絶後の大災害である。死者の内訳で圧倒的に多いのは焼死者である。東京、横浜といった関東地方の2大都市は⇒2026/10/20

やすらぎ

270
生存者が目撃者である。大地が予想以上に長く強く大きく揺れ、一斉に辺りが混乱し、日常は非日常へと一変する。建物が崩れ、燃え広がり、逃げ場を失った地、人々が守りきった地もある。大正12年9月1日11時58分44秒、この克明な地震計の針は財産となる。吉村昭さんが必死に収集した貴重な記録である。今年で丁度100年が経つ。決して他人事ではなく、いつかまた確実に起こる。天災は恐怖だが錯乱状態の人間もまた恐ろしい。恐怖流言が次々と増えていき人々の感情が壊れる。正しい情報の見極め、冷静な感情を保つことが出来るのだろうか。2023/08/30

青乃108号

177
大災害が頻発している昨今。いつ自分が被災者になるかわからない。「漂流」「羆嵐」の2作を読んで吉村昭の筆力に感銘を受けていた俺は本作を手に取った。戸惑い。東京の地名が分からない俺には詳細に記載される被害状況がピンと来ない。組織名など長い漢字の羅列につぐ羅列。読んだところで記憶に残らないので漢字の固有名詞はどんどん読み飛ばす。そのようなとても精読とは言えない読み方ではあったが、やはり作者の筆力にまたも脱帽。様々な角度から震災を描く構成も完璧。災害にあったらどうしよう。俺にはとても耐えられそうもない。2021/09/12

kinkin

127
今、関東大震災規模の地震が東京に起こることを想像すると恐ろしくなる。 ネットやSNSに依存している現在、当時以上にデマや、悪質な噂が飛び交うこと、高層ビル群や、地下の施設もどれほどの影響があるだろうか。 昔、起こったことではなくこれからいつ起こっても不思議ではない大地震。 ハード面の防災でけでなく、発生した場合どのように対処したらよいのか 住民一人一人が真剣に考えなければいけないと思う。 2014/02/03

kinkin

124
再読本。首都直下型地震をシュミレーションした特別番組を見かけることがある。しかし大地震の怖さや教訓を得るためにはまずこの本を読むことが大切だと思う。地震そのものによる家屋の倒壊や火災による被害もだが一番怖いのは理性を失ったときの人の怖さだ。あちこちで流言が飛び交いそれにより多くの人が殺されたりどさくさに紛れて死体の中から指輪や金歯を剥がし取ったりする心理。災害は人の心も壊すことをこの本は伝えている。物理的な被害の他にも死者の処理、被災後の衛生管理など常に考える必要のあることも多く書かれている。2020/01/12

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